死因 出血性ショック
死亡推定時刻 2/3 P.M.5時55分5秒
上記が詳細となっております
また死亡推定時刻はあくまで推定ですので
確定ではございません
出血性ショック…
血液の3分の1以上がなくなると出血性ショックとなる…
そんな感じだったはず…
なんか頭狂いそうだな
今放心状態にもなってない俺もおかしいけどさ
あなたが目を覚ましたらどうなるんだろうか
大好きな人を失って正気で居られるのだろうか
あなたが居なくなったら悲しいどころじゃない
じゃあ俺にとってかざねは?
妹を奪った人
俺の妹を奪った最低な人
俺の妹を殺しかけた人
確かしゅうとだけ搬送される前生で見ちゃったんだっけ
最上階から落ちた2人の姿なんてグロテスクだろ
段々と彼は言葉が出てこなくなっていた
だから俺は彼の背中を撫でた
しっかりとこちらを見た彼はいつもより顔色が悪かった
部屋に静寂が訪れる
今まで居たはずの2人分の声がなかった
だから退屈に感じるし、広く感じる
君達が居ればどれだけ楽しかっただろうか
あのときの日常が今となってはもう戻らない物だった
部屋に1人のため息が響いた
いつもなら聞こえもしないのに
ふうはやはいつ戻ってくるんだろうか
さっきからずっと外に居るし
戻ってきてない
戻ってきてない?
嫌な予感がした
また2人みたいになってしまうんじゃないか?
しゅうともそのままどこかに…
扉を閉める勢いがいつもより強かった気がする
壊れはしないだろうけど怖いな
普通に居た
すごい重い話してたし
どこかで音が鳴っている
聞き覚えのあるあのメロディだった
なんで俺より早く分かるんだよ
「 」
「 」
…え今ので伝わってるんだ
235
やばい
息切れのせいで上手く話せない
有能だ…
医師と看護師が取り囲むベットにあなたは寝ていた
小さい唸り声が聞こえた
本当に弱々しい、今にも消えそうな声で
妹の指先がほんの少し動いた
目を覚ます
時計の秒針の音が生きていることを証明する
心臓の鼓動はいつにも増して落ち着いている
それが私の生きている証だった
目の前には泣いた3人が居た
お兄ちゃんに、近所の友達に、部活のあの人
その3人が私を見て泣いている
おはようと言うとなんか違う気がする
外は丁度太陽が登りきったくらいだし
近所の友達には手を掴まれた
部活のあの人には頭を撫でられた
お兄ちゃんには抱きつかれた
完全に意味が分からない
これ…かざねのこと言っていいんだろうか
かざねのこと言ったら…また死にたくなっちゃうんじゃ…
こんなストレートに言わない方が良かったよな
かざね…
間接的に私が殺した…?
い して
の れ ゃ ?
俺 あなたの 好 だ の
ねぇ あなた
俺のこと、思い出して
涙が頬を伝っていた
すすり泣く声が響く
次第に大きくなるその声は
彼との別れを悔やむ声だった
自分のことを救うため
その為だけに命を犠牲にした
心の底から大好きだった
「かざね」という名の青年に
俺は側に居ることしか出来ない
俺は励ますことしか出来ない
俺はかざねのようになれない
今は亡き彼に向けた嘆きが響いていた
病室にも
廊下にも
空の遥か遠くに居る、亡き彼の元まで
俺はかざねのようになれない
だから君の側で励ますことしか出来ない
「死にたいよ」
彼との別れを悔やみ嘆く高校生と
その兄と近所の友達と同じ部活の部員の3人が描く
あの物語の続きを紡ぐ物語
貴方へ送るもの
死にたがりと、三人の救いたがり。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。