第2話

君の涙
1,012
2025/01/05 10:00 更新
りもこん
りもこん
……
   死因 出血性ショック
   死亡推定時刻 2/3 P.M.5時55分5秒
       
   上記が詳細となっております
   また死亡推定時刻はあくまで推定ですので
   確定ではございません
出血性ショック…



血液の3分の1以上がなくなると出血性ショックとなる…



そんな感じだったはず…
りもこん
りもこん
…マンションの屋上からだもんな…
りもこん
りもこん
…そっか
りもこん
りもこん
…それで死んじゃったんだ
なんか頭狂いそうだな



今放心状態にもなってない俺もおかしいけどさ



あなたが目を覚ましたらどうなるんだろうか



大好きな人を失って正気で居られるのだろうか
りもこん
りもこん
…俺だったら無理だな
あなたが居なくなったら悲しいどころじゃない



じゃあ俺にとってかざねは?
りもこん
りもこん
…大事な人…なのに
妹を奪った人
りもこん
りもこん
…は…?
俺の妹を奪った最低な人
俺の妹を殺しかけた人
りもこん
りもこん
…なに…考えて…
しゅうと
しゅうと
りも?
りもこん
りもこん
…え、どうかした?
しゅうと
しゅうと
いや…ずっと硬直してたから…
りもこん
りもこん
そう…?
てかふうはやは?
しゅうと
しゅうと
なんか気分転換で外に行ってくるって
最近上手く寝れてないみたい
りもこん
りもこん
…そっか…
しゅうとは眠れてるの?
しゅうと
しゅうと
前から比べると殆ど寝れてない
前は7時間くらいで今2時間弱
りもこん
りもこん
大丈夫なの?
しゅうと
しゅうと
まぁ今のところ
…メンタルはかなりきついけど
りもこん
りもこん
……
確かしゅうとだけ搬送される前生で見ちゃったんだっけ
しゅうと
しゅうと
…今も脳裏にずっと焼き付いてる
…思い出すたびに苦しくなる
りもこん
りもこん
…そうだよな…
最上階から落ちた2人の姿なんてグロテスクだろ
しゅうと
しゅうと
…2人とも…絶対離さないって…多分…
しゅうと
しゅうと
…幸せ…かもしれないけど…俺らは…さ…
段々と彼は言葉が出てこなくなっていた



だから俺は彼の背中を撫でた
しゅうと
しゅうと
なに、急に?
りもこん
りもこん
…外の空気吸ってきたら?
りもこん
りもこん
思い出しても良いことないでしょ、きっと
しゅうと
しゅうと
…なら、お言葉に甘えて
しっかりとこちらを見た彼はいつもより顔色が悪かった
りもこん
りもこん
…寝れてないんだね
部屋に静寂が訪れる



今まで居たはずの2人分の声がなかった



だから退屈に感じるし、広く感じる



君達が居ればどれだけ楽しかっただろうか



あのときの日常が今となってはもう戻らない物だった
りもこん
りもこん
…はぁ…
部屋に1人のため息が響いた



いつもなら聞こえもしないのに
りもこん
りもこん
…やっぱ居ないと静かなんだよなぁ…
ふうはやはいつ戻ってくるんだろうか



さっきからずっと外に居るし



戻ってきてない






戻ってきてない?
りもこん
りもこん
嫌な予感がした



また2人みたいになってしまうんじゃないか?
りもこん
りもこん
…そんなわけ
しゅうともそのままどこかに…
りもこん
りもこん
…あぁもう!!
扉を閉める勢いがいつもより強かった気がする



壊れはしないだろうけど怖いな
りもこん
りもこん
……
普通に居た
ふうはや
ふうはや
…あれりも来たの?
しゅうと
しゅうと
外の空気吸いたくなった?
りもこん
りもこん
…別に?
ふうはや
ふうはや
じゃあどうしたの?
りもこん
りもこん
……
しゅうと
しゅうと
まぁ良いでしょ
しゅうと
しゅうと
…やっぱりもの足りないよね
ふうはや
ふうはや
確かに…な…
しゅうと
しゅうと
失った分が多いというか
しゅうと
しゅうと
心の空白が多くなった
ふうはや
ふうはや
なんか穴空いてる感じ
しゅうと
しゅうと
塞がることはないのにね
ふうはや
ふうはや
一生ずっと穴が空いたままなのかな
しゅうと
しゅうと
…塞がっても問題だけど
ふうはや
ふうはや
それもそっか
しゅうと
しゅうと
どんな道を歩んでも俺らは強制バットエンドかな
ふうはや
ふうはや
…しょうがないか
過去には戻れないからな
すごい重い話してたし
りもこん
りもこん
…まぁ…変えられない現実か
どこかで音が鳴っている



聞き覚えのあるあのメロディだった
ふうはや
ふうはや
…りものスマホ?
りもこん
りもこん
あ、俺のかこれ
なんで俺より早く分かるんだよ
りもこん
りもこん
ちょっと出てくる
しゅうと
しゅうと
分かった










りもこん
りもこん
はい






「                」
りもこん
りもこん
…は…?
「                      」
りもこん
りもこん
……今行きます
りもこん
りもこん
着くまでかなり時間かかるので…
りもこん
りもこん
俺らが着くまで…お願いします
ふうはや
ふうはや
なんの電話?
ふうはや
ふうはや
学校来いってこと?
りもこん
りもこん
病院行くよ
ふうはや
ふうはや
…あなた…?
りもこん
りもこん
…早く
ふうはや
ふうはや
分かった
ふうはや
ふうはや
しゅうと
しゅうと
しゅうと
なに
ふうはや
ふうはや
病院あなた行く今すぐ
しゅうと
しゅうと
なるほどね
りもこん
りもこん
…え今ので伝わってるんだ
ふうはや
ふうはや
準備出来た
しゅうと
しゅうと
準備出来た
りもこん
りもこん
…急ぐからね
235
りもこん
りもこん
あの…!!面会…じゃなくて…!!
やばい
息切れのせいで上手く話せない
しゅうと
しゅうと
あなたになんかあったらしいので来ました
りもこん
りもこん
です…!!
有能だ…
医師と看護師が取り囲むベットにあなたは寝ていた
りもこん
りもこん
あなた…!!!






























小さい唸り声が聞こえた



本当に弱々しい、今にも消えそうな声で



妹の指先がほんの少し動いた
りもこん
りもこん
…あなた……あなた…!!!
しゅうと
しゅうと
……!!
ふうはや
ふうはや
…今…あなた…!






























目を覚ます



時計の秒針の音が生きていることを証明する



心臓の鼓動はいつにも増して落ち着いている










それが私の生きている証だった



目の前には泣いた3人が居た



お兄ちゃんに、近所の友達に、部活のあの人



その3人が私を見て泣いている
(なまえ)
あなた
……おは…よう…?
おはようと言うとなんか違う気がする



外は丁度太陽が登りきったくらいだし
りもこん
りもこん
あなたっ!!!
(なまえ)
あなた
え…!?
近所の友達には手を掴まれた



部活のあの人には頭を撫でられた



お兄ちゃんには抱きつかれた



完全に意味が分からない
(なまえ)
あなた
……?
りもこん
りもこん
妹だぁ…俺の…妹…
しゅうと
しゅうと
…りも…流石にちょっと…
ふうはや
ふうはや
気持ちは分かるけど行動がおかしい
(なまえ)
あなた
…弟?
りもこん
りもこん
ちげぇよ兄だわ
(なまえ)
あなた
だよね…?
ふうはや
ふうはや
……
これ…かざねのこと言っていいんだろうか
しゅうと
しゅうと
……
かざねのこと言ったら…また死にたくなっちゃうんじゃ…
りもこん
りもこん
…ねぇあなた
(なまえ)
あなた
…なに?
りもこん
りもこん
…かざね…
りもこん
りもこん
かざねはあなたを庇って死んだ
こんなストレートに言わない方が良かったよな
(なまえ)
あなた
……





































かざね…






























(なまえ)
あなた
…誰?
しゅうと
しゅうと
…え?
ふうはや
ふうはや
…なに…言って…
りもこん
りもこん
かざね…だぞ?
(なまえ)
あなた
かざね…誰?
りもこん
りもこん
…はぁ…?
ふうはや
ふうはや
俺らのこと分かるよな…!?
(なまえ)
あなた
ふうはやにしゅうとさんにお兄ちゃん
しゅうと
しゅうと
なんで…かざね…だけ…?
(なまえ)
あなた
…へんな夢でも見たんじゃないの?
りもこん
りもこん
…いや…はぁ…?
しゅうと
しゅうと
じゃあ…なんで病院に居るかって言ったら…?
(なまえ)
あなた
……さぁ…?
ふうはや
ふうはや
…あなたとかざねが…
かざねのマンションの屋上から落ちた
(なまえ)
あなた
…え?
しゅうと
しゅうと
だからかざねは…
あなたのクッションになった…
りもこん
りもこん
だからあなたは生きてる…ってこと
(なまえ)
あなた
……
間接的に私が殺した…?
りもこん
りもこん
…これは俺の勝手な考えだけどさ
りもこん
りもこん
多分、かざねはあなたのことが好きで
守ったんじゃないかって
りもこん
りもこん
俺はそう思ってる
ふうはや
ふうはや
…じゃなきゃあなたに告白しないからな
りもこん
りもこん
ふられた本人言うと説得力違うね
ふうはや
ふうはや
黙れ
(なまえ)
あなた
…かざね…
しゅうと
しゅうと
……思い出した?
(なまえ)
あなた
……






























    い  して
 の   れ ゃ  ?
俺 あなたの   好 だ  の 
ねぇ あなた
俺のこと、思い出して
(なまえ)
あなた
……
涙が頬を伝っていた
(なまえ)
あなた
かざね
(なまえ)
あなた
…死んじゃった…?











すすり泣く声が響く


次第に大きくなるその声は


彼との別れを悔やむ声だった


自分のことを救うため


その為だけに命を犠牲にした


心の底から大好きだった


「かざね」という名の青年に
(なまえ)
あなた
…なんで……なんで…!!!
りもこん
りもこん
…悔しいよな…
俺は側に居ることしか出来ない
しゅうと
しゅうと
…苦しいよね…
俺は励ますことしか出来ない
ふうはや
ふうはや
…辛いもんな…
俺はかざねのようになれない





今は亡き彼に向けた嘆きが響いていた


病室にも


廊下にも





空の遥か遠くに居る、亡き彼の元まで





(なまえ)
あなた
嫌だ…嫌だ…!!!
(なまえ)
あなた
かざねだけ……行かないでよ…!!!!
(なまえ)
あなた
もっと一緒に居ようよ!!!!
(なまえ)
あなた
もっと救いたがりになってよ!!!
りもこん
りもこん
……
ふうはや
ふうはや
……
しゅうと
しゅうと
……
俺はかざねのようになれない


だから君の側で励ますことしか出来ない
(なまえ)
あなた
……






























「死にたいよ」






























彼との別れを悔やみ嘆く高校生と






























その兄と近所の友達と同じ部活の部員の3人が描く






























あの物語の続きを紡ぐ物語






























貴方へ送るもの






























死にたがりと、三人の救いたがり。

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