「精霊」
悪霊の対になる存在だと聞いたことがある。
死後、この世に残りたいという意志が強いとなることがあるらしい、いわゆる幽霊だ。目撃例は両者ともに少ない。
根本は同じだが、この世に残る意志の理由がポジティブだと精霊という扱いになるらしい。
精霊は割と自由自在らしい。
てか見せる意志があるなら隠れんなよ!
なんの時間だったんだよ!
そんな事を考えていた時
男爵はおもむろに葉の羽根、葉根と言うべきだろうか。それを羽ばたかせ飛び上がると、こちらに近づいてきた。
大体何でもできてしまう精霊が人間に頼みたいこと。
そんなものあるのだろうか。
というか、さっきから厨二病が好きそうな話が出てき過ぎである。
僕がその類いの人間じゃないのが残念だ。
こんなものに関わっていいのだろうか、悪霊退治なんて危険なんじゃ、そもそも…
本当は関わるべきじゃない。
そんなことはとっくに理解していた。
でも、このまま夏休みを棒に振るよりかは有意義に思えた。
不安と同時に、未知への好奇心と、これから始まる悪霊退治に対する高揚感を感じた。
高鳴る鼓動を落ち着かせながら、真剣な表情で僕はこう言った。
僕の「退屈な夏休み」は終わった。
夜が終わり、日が僕らを照らし始めた。
見知ったばかりの精霊が、こちらを見た。
そう言って男爵は知らない言葉で誰かと話始めた。
その時、目の前が光り始めた。
思ったことがある。
こいつは自分が手伝ってもらう側だという自覚がまるで無い。
そして話し方も癪に触る。
こんなのとしばらくいないといけないのか。
光が落ち着き、目の前に虫取り網の様な物が現れた。
いわゆる神器的なものだろうか。
なんかかっこいい。
前言撤回、とても素晴らしい条件だと思う。
このまま回数を重ねていけば神の道具を集められるんじゃないか?
新太はチョロかった。
そう言って精霊はすごい速度で飛び出す。
やっぱり辞めようかと思った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。