あなた sitenn
人が来ないか確認しながら 、私はヒソッと ヤマト に問う 。
ヤマト は1拍置いてから 、静かに言った 。
もし 、そいつの“ 未来へ飛ばす血鬼術 ”がまだ未完全…もしくは使用できるのが1度きりなら 、大幅の誤差があると予想しとった 。
まさか 、ホンマに的中してまうとは…
フフン 、と誇らしそうに言う ヤマト を横目に 、今まで考えていたことを思い出す 。
……いつか話そうとは思っとった 、
やけど……
そんな私の我儘のせいで 、どうしても揺らいでまう 。
私の心境を悟ったのか 、 ヤマト が呆れ気味に口を開いた 。
そんなん 、分かっとんねん 。
いずれは私もああなってまうっちゅうことは避けられへんから 、
ちゃんと一から言わなあかんことくらい…
___分かっとんねん 。
表情や立ち位置を変えることなく言う ヤマト の背を眺めながら 、覚悟を決めて言った 。
ヤマト はそれだけ言うと 、こちらに振り向きもせず空へ羽ばたいて行った 。
はぁ…かしこまったこと言うとるけど 、心配やな……
日頃の失敗が目に浮かび 、思わず頭を抱える 。
夜空を眺めていると 、不意に 葵 の声が横からした 。
恥じらいもなくサラッと答える 葵 。
さすが元自衛隊…(?)なんて考えとると 、 葵 も夜空を見上げ出す 。
葵 はそう言うと 、何か思い出したかのように続ける 。
「 あれか 。 」って 、こいつうちが キコル の“ 食えハラ ”の被害に遭ってたの知ってたんか??
いや助けて欲しかったわ…なんて思ってみたりする 。
こいつもしや天然か…?
そんなことを考えながら 葵 に手を振り 、部屋へ戻ろうと足を進めた 。
next ···▸ ♡45












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。