ある日の事だった。
俺はいつもの様に、めめさんのパン屋へと足を運ぶ。
扉を開けるとちりんと音がして、暖かい雰囲気の店内が見える。
とたとたと足音が鳴り、めめさんが出てきた。
本当は匂いは分からないが、綺麗に整列されて艶があるパンは間違いなく良い匂いを漂わせているだろう。
お気に入りのパンを頼み、紙袋を貰う。
その後は雑談をして…少し名残惜しくも、家に帰るはずだった。
そう俺が扉に向かおうとした所で、その扉が荒々しく開けられる。
ぐさおさんの背中を追いかけて、俺とめめさんは走った。
また他の村民達がくだらない事をやっているのだろうと思ったが、何やらぐさおさんの様子がおかしい。
走った先は、村はずれの家。
あまり人と関わらない人が住んでいたはずだ。
俺達以外には、ウパさんやレイラーさんなどが揃っていた。
覚悟?と考えている間に、家の中が見える。
見えたのは、血に塗れた住民だった。
めめさんが座り込んだ。
ショックを受けているのだろう。
俺の体は勝手に動いて、上着をめめさんに被せ、口を動かした。
悪戯にしては度が過ぎる。
これはきっと、ドッキリなんかでは無い。
ラテさんが口を開いた。
顔が青くなっていき、めめさんが止める。
何故だか、嫌な予感がする。
「この村に_
人狼が居る」
俺はその後、メテヲさんの家へと向かった。
数日前に開けたドアを、今度は大きい音が鳴るほどに乱暴に開ける。
♡20ありがとうございます!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!