寒さが残りつつも、暖かな日差しに恵まれた。
人混みの中でも目立つ、綺麗な髪の女の子。
卒業証書片手に、校舎を見上げていた。
考えていることがよく分からない子。
少し変。
入学当時から話題になっていた、五条家のお嬢様。
鋭い目つきで周囲を見下すように視線を動かす。
怖い、と口を揃えてクラスメイトは言った。
それはもちろん俺も。
『気に入らないことをすれば、家に言われて社会的に抹消されるんじゃないか』
そんなことをよく噂されていた。
でも現実は違った。
あの子は優しかった。
平凡で特に目立つ部分もない俺をすぐに見つけてくれる。
ひたむきに元気で明るい子。
俺がこうやって馴れ馴れしく話すような相手じゃない。
生まれも、立場も、得た物も全く違う。
それでも
君は淡く美しい
本当のことを言ったら、どうなるのだろうか
どんな醜い感情をぶつけられるのだろうか
最後まで理想でいよう。
2018年 3月x日
五条あなた 中学校卒業
世間で言う"普通"とは程遠いけれど、
2019年
彼らはまだ元気です











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。