前の話
一覧へ
次の話

第88話

エピソード.4 普通とは程遠くなっても
97
2026/03/08 15:00 更新




寒さが残りつつも、暖かな日差しに恵まれた。


人混みの中でも目立つ、綺麗な髪の女の子。
卒業証書片手に、校舎を見上げていた。


考えていることがよく分からない子。
少し変。

入学当時から話題になっていた、五条家のお嬢様。
鋭い目つきで周囲を見下すように視線を動かす。
怖い、と口を揃えてクラスメイトは言った。
それはもちろん俺も。

『気に入らないことをすれば、家に言われて社会的に抹消されるんじゃないか』
そんなことをよく噂されていた。



でも現実は違った。

あの子は優しかった。

あなた
…あ、久しぶりー!

平凡で特に目立つ部分もない俺をすぐに見つけてくれる。
ひたむきに元気で明るい子。

男子生徒
覚えててくれたんだ


俺がこうやって馴れ馴れしく話すような相手じゃない。
生まれも、立場も、得た物も全く違う。



それでも
あなた
2年間同じだったら流石に覚えるよ
あなた
薄情な人間じゃないからね!


君は淡く美しい



















本当のことを言ったら、どうなるのだろうか




どんな醜い感情をぶつけられるのだろうか

あなた
(もう会えないから)


最後まで理想でいよう。













2018年 3月x日

五条あなた 中学校卒業



















あなた
…あ、桜
悠仁
桜を見ると卒業後のことを考えなきゃ行けない気がして素直に綺麗って言えないよなぁー
野薔薇
それはアンタだけでしょ

…五条は卒業したらどうする?

あなた
んー、純粋な五条家の血で相伝使えるのは私だけだから
あなた
五条家専属の呪術師?
悠仁
当主にはならねーの?
あなた
ならないんじゃなくてなれない
あなた
女だからねー


あなた
昔にあったどこぞ御三家よりはマシだけど
俺の方を見て言うな
野薔薇
はあぁ…
野薔薇
色々変わったと思うけど、根本的なものは何も変わってないわね



世間で言う"普通"とは程遠いけれど、








2019年






彼らはまだ元気です

プリ小説オーディオドラマ