第4話

2人目
20
2026/05/22 07:00 更新
ンダホ
俺、ンダホ!
ンダホ
魔法戦士!
元気よく名乗るその姿に、さっきまで絡まれていた怯えは微塵もない。
シルクロード
俺はシルク
シルクロード
一応勇者
ンダホ
え!?勇者様!?
シルクロード
うわっ
ンダホの声が屋上に響いた。あまりの声量に、シルクの肩がびくりと跳ね上がる。
ンダホ
お、おおお俺……
ンダホ
実は、勇者様を探す旅に出るところだったんだ!
シルクロード
……勇者を探す旅?
ンダホ
そう!
ンダホ
そういう家系でさ、俺
ンダホ
十七歳になったら旅に出ろって、親がもう煩くて!
ンダホは苦笑しながら続ける。
ンダホ
で、今日がちょうどその日だったんだ
ンダホ
いざ出発!って思ったら、あのヤンチャ集団に絡まれて……
偶然。それとも、巡り合わせ。すると、ンダホが何かを思い出したように、懐を探り始める。
ンダホ
あ、そうだ
ンダホ
勇者様なら、これ探してるよね
そう言って、取り出したのは黄色の鍵だった。
シルクロード
それっ!
ンダホ
一応、家宝なんだ
ンダホ
でも、勇者様に必要だからって持たされたんだけど……
シルクは、ゆっくりと頷いた。兄の日記。鍵。街を巡る意味。すべてが、少しずつ繋がっていく。
ンダホ
な、ならさっ!
ンダホ
俺も一緒についていっていい?
ンダホ
役目を果たしたいし……
ンダホ
何より、世界の真実を知りたいんだ!
その目は、まっすぐだった。恐れよりも、好奇心と決意が勝っている。
シルクロード
あぁ、もちろんだ
ンダホ
……!
ンダホの顔が、ぱっと明るくなる。
シルクロード
よろしくな、ンダホ
ンダホ
うん!よろしく勇者様!
シルクロード
シルクでいいよ
ンダホ
え!?
ンダホ
じゃ、じゃあ……シルク!
シルクロード
おう!
二人で旅をすると決めてから、まず向かったのは、黄色の街の冒険者ギルドだった。情報の共有はもちろん、そして何より正式にパーティーを組むためだ。受付で名前を書き込む途中、何気ない雑談が始まった。
シルクロード
そういえばさ
シルクロード
俺、小さい頃、川でよく遊んでたんだ
ンダホ
え、俺も!
ンダホ
黄色の街の外れにある川でさ、流れ弱いところ
シルクロード
え、っと...
シルクロード
石が多くて、魚いっぱいいた場所か?
ンダホ
そうそれ!
話は一気に広がった。川に落ちたこと。濡れたまま怒られたこと。受付の紙を前に、二人は顔を見合わせた。
シルクロード
……Fischer'sでいいんじゃないか
ンダホ
いいね、それ!
シルクロード
よし、決まり!
その後、二人は街のレストランに入った。
シルクロード
俺、ハンバーグ
ンダホ
じゃあ俺オムライス!
湯気の立つ皿が運ばれてくる。あまりの美味しさに、二人とも無言で食べ始めた。一息ついたところで、話題は次の目的地へ移る。
シルクロード
次は、青の街だな
ンダホ
青の街には、フェリー使わないと行けないけど
シルクロード
でも、黄色の街には便がないんだよな
ンダホ
うん
ンダホ
産業系、輸入輸出でしか船使わないから
シルクロード
ってことは……
シルクロード
青の街に行く船が出る、港町に行くしかないな
その時、ンダホが鞄から紙束を取り出した。
ンダホ
さっきギルドでパンフレット取ってきたよ
ンダホ
ほら、ここ
地図の一角。黄色の街から、少し離れた港町。
ンダホ
一番近いのは、ここ
シルクロード
決まりだな
食事を終え、二人はそのまま街を後にした。港町へ向かう道中。街道を外れた森で、中級モンスターが現れた。
シルクロード
来るぞ!
剣を抜くシルク。その後ろで、ンダホが構える。
ンダホ
俺、防御専門だからあんま期待しないで!
そう言いながらも、ンダホの詠唱は迷いがない。自然魔法が地面を走り、敵の動きを止める。シルクが踏み込み、一気に距離を詰める。
シルクロード
はぁ!
シルクの一撃がモンスターの核を突き、モンスターは消滅した。
シルクロード
……すごいな
ンダホ
そ、そう?
ンダホ
俺こういうのは初めてだから、嬉しいな
自然魔法の威力。的確なコントロール。判断の速さ。正直、今の自分が一番欲しい補助要員だ。
シルクロード
これから、頼りにしてる
ンダホ
......!
ンダホ
うんっ!

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