私、綾川レナっ!
ヒーロー協会会長の一人娘でぇ…ピチピチのキュアキュアラブリーJK♡
……………に、転生しました。
元ヒーロー・足立あなたです。年齢は20代前半です。
この体は先程言ったとおり、私の前世であるヒーロー事務所の上層部の中のトップ。
ヒーロー協会会長の一人娘・綾川レナである。
何故こんなことになったのか。正直なところ自分でも良くわかっていない。
ただ………
私は自分が転生したと自覚した時、一番にそう思ったのである。
なにせ、ヒーローとは命懸け。正義を貫くみんなの憧れ!!
なんてのは表向きで、私はとにかくその正義感が苦痛だった。
どれだけ体を張ってても、やっぱり戦いは怖いし。
持ち前の正義感だけが独り歩きして、自分の心と体はボロボロで、
かといって、誰かに頼れるはずもなく、むしろ頼られる存在で……
まぁ、社畜の極みみたいなとこだったのだ。
死んでしまったのか。と思うとすこし悲しい…………
いや、全然悲しくない。むしろ嬉しい。
それから私は甘えた生活をしていた。
前世ではパトロールと化していた日課の散歩はのんびりできるし、
読書中に緊急要請が来ることもない。
欲しかったゲームはあの親父に頼めば手に入る。
もちろん、その分勉強も、運動も、令嬢としての学習もしている。
周りの人間の反応を見る限り、どうやら綾川はこの生活に飽きていたようで、
突然意気揚々と学習に取り組むようになって皆驚いていた。
私としては、充分過ぎる。寧ろこれ以上望むものはない!!
こうやって、明日の予定を立てるのも楽しい。
ヒーロー任務に追われず、いつ死んでしまうかヒヤヒヤしなくても済むのだから。
その日の夢で、私は彼等にあった。
相変わらずテンションの高い赤城ウェン。
陽気な関西弁の緋八マナ。
少し煙草臭い佐伯イッテツ。
いつ見てもデカい宇佐美リト。
嘘ばっかりつく星導ショウ。
機械弄りばっかしてる伊波ライ。
いっつもぐうたらな小柳ロウ。
偶に何を言ってるのかわからない叢雲カゲツ。
みんな、私に笑いかけている。
いつも通り元気で、騒がしくて……
…私は、逃げたくなった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。