しまった…これでは善逸が…鬼に…
善逸の口には牙が生え、爪は伸び、血管が浮き出ていた
その時、あの日の出来事を思い出した
家族が殺され、禰豆子は鬼になった
俺に襲いかかろうとした禰豆子だったが、涙を流してくれた
また…あの日と同じことを繰り返すのか…
また…大切な者を失うのか…
眼は血走り、鬼の匂いになってしまった
善逸の匂いはどこにもない
涙が溢れ出そうだった
この状況に耐えられなかった
戦うのを諦めたくなった
善逸は俺に襲いかかってきた
元々スピードがとてつもなくあるのに鬼化してしまっては本当に瞬間移動のように見えた
そのまま俺の肩を強く掴む
そして
善逸の牙が俺の肩に突き刺さった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。