~あなたside~
ひょこひょこ、と効果音を付けながら獪岳が廊下を歩いている。
よしよしと頭を撫でると、頬が紅く染まる
可愛いなぁ。
獪岳を拾ってからもう一年。
新たに山に屋敷のようなものを建て、あなたの一人称たちは其処に住んでいる。
…そう、一年だからもうすぐなのだ
伊黒さんの生家の事件が。
_________獪岳に呼吸は教えていない。
そもそもあなたの一人称の呼吸は『歌』、其の中でも100年程後に出てくる『ボカロ曲』なのだ。
以前少しだけ歌わせてみたが、音程がとりづらいし、リズムも早い。
…おそらく、歌の呼吸はあなたの一人称以外に使えない。
歌の呼吸は、歌うことで攻撃力、防御力、守備力が増す。
リズムは勿論早い。
この時代にはない音程やリズムを使えるのはあなたの一人称だけだろう。
…だから、獪岳とはそう長く一緒にいられない。
いつかはあなたの一人称が鬼と人間のハーフであることに気づくだろう。
部屋に入り机を挟んで向かい合う。
そうか、原作の獪岳は此処で間違えたのか。
頭を撫でながら机を乗り越えて抱きしめた。
頬が緩む。
いつか、、この子が大事な仲間を持てるように。
善逸を大事な弟弟子だと思えるように。
____________鬼になってしまわないように。
そっと、願いを託した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!