513年 春
私は、最低だ。
今日母親が倒れた
病気とかじゃなくて疲労だったからまだ良かったけど
私の心配と、それを紛らわすために研究をし続けたのがいけなかったらしい
申し訳ないし、心配もした。
それでもその心配は単なる心配で、"親"に対しての心配じゃなかったと思う。
いや、絶対そうだ。
今までも親に対してどこか水臭いところもあったし、それを見て見ぬふりをしてきた
母親が倒れたって聞いた時、え、とは思った
驚きもした
でも、全く慌てず心は冷静で、倒れたんだなって、ただそうなんだ、とだけ思ってしまった。
私の親は、前世の親だけであって今の親は親だけど親じゃない
他にも転生してる人がいたらこんな気持ちなのかな
やっぱり親だと思えない人は親として向き合えない。
私は最低だ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!