あなたの一人称は、みんなに今まであったことを全部説明した。
みんな、真面目に聞いてくれた。
おそ松兄さんも、
カラ松兄さんも、
チョロ松兄さんも、
一松兄さんも、
十四松兄さんも、
トド松兄さんも。
ずっと、ずっと、熱心になってくれて。
本当の、“現実”の世界のこと。
その世界の家族、兄弟のこと。
そこで、どんな生活をしてきたか。
馬鹿らしくなってしまった。
『みんなのため』だなんて、全部建前だったって。
自分に言い聞かせてただけだなんて。
全部、自分のため。
じゃあ結局、コロしたい理由ってなんだったんだって。
実際は、薬の副作用でもうここにいられない、なんて。
とっくの前に分かってたことだった。
副作用は大きなものだった。
日に日に、“現実”の身体の痛みが。不安定なものが。
こちらの世界で、感じるようになっていった。
それは副作用だけではなく、効き目もある。
効き目が弱くなっていたんだ。
だから、“自分をコロした”んだ。
みんなには、重たすぎたのかも知れない。
突然、全てを話してしまったから。
少しずつ、話せば良かったのに。
あなたの一人称は、思わず目を閉じてしまった。
そうしたら、自然と何かが溢れてきた。
ギュッ))
兄さん達はもっと、強く抱き締めてくれた。
ぎゅっと、強く。
あなたの一人称よりもひと回り大きい身体で、暖かい腕で。
それに安心して、あなたの一人称は泣き出してしまった。
大きな声で、子供のように。
身体だけ育った“子供”。
あなたの一人称は、気づいていない間になっていたのだろうか。
心だけが育たなかった、“子供”に。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。