シュアの声が聞こえる。
それだけで凄く嬉しくて、泣きそうになった。
何も言ってくれない不安、
何を思っているのか分からないもどかしさ、
それが全てなくなると、
どうしようもなく嬉しくて胸がぎゅっと苦しくなる。
部屋を出れば、
また口を閉ざしてしまって
一歩後退りしてしまうシュアだけど。
それでも大丈夫だから、
一緒に歩こうって
言ってあげたいなㅎ
その日の夜、寝ているメンバーも起こして
緊急会議のようなものを行った。
いつになく暗いホシの表情。
その傷は、シュアヒョン本人じゃないと
治すことができないだろうに。
一気に暗くなる雰囲気。
シュアも傷ついて、俺たちも傷ついて、
これじゃあ悪化するだけだ。
……早く対策を考えないと。
水を飲みに行った後に戻ると、
ウジの部屋の前で立っているシュアを見つけた。
暗くて、シュアの表情がよく見えない。
でも、返事をしてくれただけで
凄く嬉しかった。
戻ろう、と声をかけようと
シュアの手を優しく握ると、
ふと僕の名前を呼ぶシュア。
目が暗さに慣れてきて、見えたその瞳には
心なしか涙が溜まっているように見えた。
みんなの会話を聞けなかったから、
なんでそんな表情なのかが分からない。
僕を見つめていた綺麗な目が、
ゆらゆらと酷く揺れる。
あぁ、それがお前の本心なんだね。
そう言いながらどこかに行こうとする、
危なっかしいシュアの腕を掴む。
僕より少し筋肉質だったはずの体は、
今ではもう僕と同じ、もしくはもっと細くなった。
滅多に言わない事を言うから、
少しおかしいと思った。
手首が熱いと思ったら、
おでこも熱かったシュア。
熱出たから、本心が出たんだね。
目も合わなくて、
力が抜けたのかふらふら歩くシュアを支えて
僕の部屋に向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!