テレビには、キラッキラのトッピングに輝くハートの形のアイスを、幸せそうに食べている恋人たちの姿。
あなたの目は先ほどから画面に釘付けでキラキラ輝いている。
あなたはため息をつきながら、チラチラとバーカウンターへ視線を向ける。
妄想の中ではしゃぐあなた。しかし、現実は現実である。
ついつい最後の一文だけ、声に出して漏れていたあなた。
恥ずかしさのあまりに、その場から飛び上がるあなた。
軽くパニックを起こして、慌てふためきながらわけのわからないことを口走ってしまう。
ナニコレ聞キマチガイカナ?
ポーカーフェイス。
カクテルの注文を受けるようなノリで言われた。
だけど………今、間違いなく、
ハスクはデートしていいって………。
あなたは喜びのあまりに、勝利の雄たけびを上げた。
あなたは、ハスクの気が変わらない内にダッシュで自分の部屋に駆け込み、服という服をかき集めた。
あなたの脳内劇場に、ハスクとの甘い未来が上映される。
跪くハスク、その手の中には、あなたの瞳と同じ色の宝石の輝くリング……。
リンゴーン🔔♪ リンゴーン🔔♪
あまりにも楽しみ過ぎて、服はすぐに決まり、だいぶ時間があるというのに待ち合わせ場所に向かうあなた。
足を止め、目を疑うあなた。
なんと、先にハスクの方が店の前に来てあなたを待っていた。
…………ちょっとだけオシャレして。
ハスクは普段衣服に頓着せず、今もいつもの恰好から白いシャツを着て、いつもの蝶ネクタイではなく細長いまっすぐなネクタイに変えただけだ。
そんなシンプルな恰好なのに、メチャクチャかっこいい……あなたの目は❤️❤️になった。
「オシャレしてドキドキさせちゃう作戦」の返り討ちにあったあなた。
すっかり舞い上がるあなた。
このまま天国まで飛んでいけそうだ。
窓際の席に付き、グラスの中でキラキラと溶けていくアイスをスプーンですくいながら、あなたはウキウキ❤️ニコニコ❤️だった。
その満面の笑顔を見て、ポーカーフェイスの裏でハスクは複雑な心境であった。
と、その時、ハスクはらしくもなく、溶けたアイスを手の上に落としてしまった。
ハスクの手は猫毛でモフモフなので、こういったベタベタ汚れはしっかり水で洗わないと綺麗にならない。
トイレの方に消えたハスクを目で見送り、あなたはご機嫌だった。
ハスハスと興奮してから、あなたは自分を落ち着かせるためにもう一口アイスを口に入れた。
急に声をかけられて振り向く……美しい白猫の青年がそこにいた。
…………幼なじみのイケメンと偶然に再会………。
これは、最後の一撃来たんじゃない?
《契約》のタイムリミットまで、後一日
続く












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。