孤爪side
目の前で座り込んで目を白黒させているあなた。
そりゃあ、突然連れてこられたかと思ったら
高身長の男たちに囲まれたら怖いよね。
計画したのはクロだから、
責めるならクロにして欲しいけど。
そんな調子のあなたに夜久さんが頼む!と
手を合わせる。
夜久「黒尾や孤爪から話は聞いていたんだ。お前の
能力も、頭の良さも、バレーが好きなことも!」
海「それに、少し手が足りないんだ。部をまわす為
にも、マネをやってくれると助かるな」
あなた「そんな、私じゃなくたって・・・・・マネ候補の
人だっているでしょうし」
夜久「あー・・・・・まあいなくもないんだけど」
黒尾「男目当ての女ばっかり。意欲のある子も、
忙しさですぐ辞めちまうんだと」
海「俺達も先輩から良い奴いないかって言われて、
探していたんだ」
あなた「いや、でも・・・・・」
言い悩んでいるあなた。
頼まれたら拒めないお人好しだけど
ずっとやらないと言ってきたマネージャーだからな。
あなたが嫌なことはさせたくないけど。
こればかりはもう限界かな。
俺は座り込んでいるあなたの前にしゃがむ。
『・・・・・俺は、ずっとあなたとバレー、したかったよ』
あなた「研磨・・・・・」
『あなたが嫌なことはさせたくないから
何も言わなかったけど。俺はずっと一緒したかった』
あなた「・・・・・でも、」
『あなたは、あなたのやりたいことやりなよ』
あなた「ッ・・・・・!」
黒尾「お前が心配してることや不安なことは全部
俺らに任せろ。お前はお前の仕事をして欲しい」
あなた「てつろ・・・・・、」
黒尾「前にも言ったろ。バレー部に必要なのは、
バレーが好きな気持ち。それだけだって」
あなた「、!」
黒尾「・・・・・あなた、音駒高校バレー部に入らないか?」
あなた「・・・・・私、」
俯いて何も言わなくなってしまったあなた。
その背中をクロが優しくさする。
こういう時、クロはあなたの兄なんだなと思う。
普段は兄妹らしさなんてほとんどないけど
あなたが弱ってる時や悩んでる時なんかは
誰よりも傍に寄り添って、支えている。
羨ましい、とか狡い、とか思わなくもないけど
それでもその役目はクロにしかできないんだと
改めて思い知った。
それからあなたは、少し考えてくると言って
体育館を出ていった。
黒尾「・・・・・少しやり過ぎたな」
『全部クロのせいだからね』
黒尾「わかってるよ。後で甘やかすかな」
クロはクロにしかできない方法であなたを支える。
だから、俺も俺にしか出来ないことで
あなたを支えていきたいんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。