第2話

第1話 存在価値
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2024/06/09 03:39
猫雷 孤月
猫雷 孤月
か、母さん…!?
孤月の母親
孤月の母親
黙りなさい!
あんたなんか…あんたなんかっ
死ねばいいのよ!
バチッ!
乾いた音が部屋に響いた。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
かあっ…さ、
孤月の母親
孤月の母親
うるっさい!
バチッ!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
〜〜っ…
猫雷 孤月
猫雷 孤月
かあさん…
孤月の母親
孤月の母親
〜っ!
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!
孤月の母親
孤月の母親
母さんって言うな!
気持ち悪い!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
ごめっ…
孤月の母親
孤月の母親
そうよ…あんたが生まれたせいでっ
あの人 ・ ・ ・が出ていったのよ!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
バチッ!
母さんは、俺の頬をぶった。
孤月の母親
孤月の母親
フン...
ガチャリ、といって
玄関の扉が開いた。
???
???
ただいま。
絵里えり絵里えりー?
孤月の母親
孤月の母親
廉斗さん♡
チッ…今日はこの辺にしといてやるわ
猫雷 孤月
猫雷 孤月
はい…ありがっ
孤月の母親
孤月の母親
廉斗れんとさんが居る時は
喋らないでって言ったでしょ!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
はい
廉斗れんと、というのは、母さんの再婚相手だ。
今帰ってきたのもそいつ。
絵里えりというのは母さんの事だ。
俺の父親は───
猫雷 孤月
猫雷 孤月
違う…違う違う違う!
父さんが出ていったのはっ…
出ていったのはっ…
猫雷 孤月
猫雷 孤月
父さんが出ていったのは...
俺のせいじゃ...俺のせいじゃない...っ!!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
ハッハッハッハッ…ハッハァ…
...怪我の手当をしないと。
母の再婚相手
母の再婚相手
ほんとに、
絵里の作った料理はうまいなあ。
孤月の母親
孤月の母親
あらぁ、そう?
お世辞はやめてよぉ♡廉斗さん♡
母の再婚相手
母の再婚相手
お世辞じゃないよ♡
ホントのことだって♡
ね?絵里ちゃん♡
孤月の母親
孤月の母親
んふふ♡
隣の部屋から母さんと義父さんとう  
声が聞こえてくる。まるで━━━━
まるで俺に聞こえさせてるように。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
…聞くな。
自分に言い聞かせるように言う。
深呼吸をして。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
今日は左目か…
目につけるやつってあったっけな
自分の部屋のクローゼットをあさると、
目につける包帯が出てきた。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
これを付けて…
猫雷 孤月
猫雷 孤月
頬は…大丈夫か。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
これでよし。
なんだかんだ言って、住む場所とお金は
用意してくれる母さんだ。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
…でも。
………考えるのはやめよう。
今はこの状況を生き延びるのみ。

ガチャっと言って俺の部屋のドアが開いた。
…母さんだ。
孤月の母親
孤月の母親
孤月、もう寝なさい。
いつまでゲームをしてるつもり?
猫雷 孤月
猫雷 孤月
…分かりました
起きていたことがバレた。
ゲームはしてないが、
俺は布団にもぐりこんで頭まで布団を被った。
孤月の母親
孤月の母親
…明日は学校に行きなさいよ。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
……………
『明日は学校に行きなさいよ』
邪魔だから行ってこいということだ。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
深夜。
また、ガチャリと部屋のドアが開いた。
母の再婚相手
母の再婚相手
…孤月、か
義父さんとう  
母の再婚相手
母の再婚相手
こいつさえ居なけりゃ、
俺は絵里と2人きりなのになあ。
ほら。
母の再婚相手
母の再婚相手
こいつさえ、こいつさえ居なけりゃ…
ほら。
???
???
こいつさえいなかったら…
重なる。
母の再婚相手
母の再婚相手
こいつさえ居なけりゃ…
???
???
こいつさえ居なけりゃ…
???
???
俺は絵里と2人きりなのになあ。
クソが。クソが。クソが。
あいつ ・ ・ ・に。
母の再婚相手
母の再婚相手
そうだ。
???
???
こいつを殺せば…
???
???
俺は絵里と2人きりだあ゙
殺す……俺と絵里の邪魔をするなあ゙!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
っ!!!!!!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
辞めてくれ…っ…辞めてくれ…父さん…
母の再婚相手
母の再婚相手
母の再婚相手
母の再婚相手
…良くない。
絵里が可愛がっている息子なんだ。
大切にしないとな。…ごめんな孤月。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
義父…さん…?とう    
母の再婚相手
母の再婚相手
ごめんな…孤月…こんなっ…
嫌な父さんで…
義父とうさんは、母さんが俺を虐待している
のを知らない。母さんは父さんの前では
俺を大事にするから。
猫雷 孤月
猫雷 孤月
いいよ。父さんは悪くない。
母の再婚相手
母の再婚相手
…ごめんな。ありがとう。
父さんは俺の部屋から出ていった。
だけど、おれの頭からあいつ ・ ・ ・
存在が頭にこびりついて離れない。
???
???
お前なんかいらねえんだよ!
子供の頃の孤月
子供の頃の孤月
と、父さん…?
???
???
黙れ!
???
???
お前が産まれたから...
俺の人生は狂ったんだ!
子供の頃の孤月
子供の頃の孤月
え…?
???
???
そう…そうだよ…
???
???
お前はいらない
子供の頃の孤月
子供の頃の孤月
!!
???
???
お前の存在価値なんかね゙ぇんだよぉ゙!
子供の頃の孤月
子供の頃の孤月
と、さ…
父さん。
俺の実の父さん。
もう、顔は覚えていないけど。
父さんは飲んだくれで、クソ野郎だった。
だけど母さんのことはとても大事にしていて、
母さんが俺のことを優先するのをとても嫌がって
いた。だから、いつも叩かれ蹴られ言葉の暴力で
心をへし折られる毎日だった。




















昔は。




































父さんは俺のこと、そして俺を庇う母さんが
嫌になったのか、この家から出ていったのだ。
母さんはその頃から俺を殴ったり蹴ったり、
父さんと同じように俺の心を粉々にした。

父さんのことがとても好きだったのだろう。
俺のせいで父さんが出ていった、と
毎日 言われ続け、俺は大抵の悪口には
耐えられるようになったほどだ。
“お前の存在価値なんかない“
父さんからよく言われた言葉。
この言葉だけが、俺の耐えられない言葉だ。
ましてや、これまで優しくしてくれていた、
母さんから言われたとしたら。
俺の心は、どれだけぐちゃぐちゃになるだろう。
???
???
お前の存在価値なんかッないんだよお゙!
孤月の母親
孤月の母親
そうよ…
あなたの存在価値なんかないのよ…
母の再婚相手
母の再婚相手
絵里が愛している子だが…
こいつの存在価値なんかないな。
子供の頃の孤月
子供の頃の孤月
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!
猫雷 孤月
猫雷 孤月
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
だめだ…
猫雷 孤月
猫雷 孤月
俺の存在価値って…なんだよぉ…
誰か…おしえ て…ッく、れ………
俺の存在価値って、





























































何?

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