第2話

おつかれさま〖ハウ主♀〗
3,791
2022/12/26 12:24
ハウレス
ふぅ……ただいま
グロバナー家からの依頼を済ませた俺は、デビルズパレスへ帰ってきた
あなた
ハウレス! おかえり!
ハウレス
え……主様!?
階段の上からひょっこり顔を出していたのは、最近会えていなかった主様だった

向こうでの生活が忙しかったのか、一週間ほど姿を見ることができなかった彼女

毎日じゃなくとも来てくれるだけありがたいことなのだが……それでもやはり、寂しくなることはある
ハウレス
いらしていたんですね、お出迎えができず申し訳ありません
グロバナー家に呼び出されていたもので……
あなた
ううん、いいの、気にしないで!
なんだかひさしぶりだね。私、ハウレスに会えて嬉しい!
ハウレス
俺もです、主様
あなた
…………それにしてもハウレス、大丈夫?
なんか疲れてない?
確かにここ最近は毎日貴族からの呼び出しがあり、ろくに休息も取れていなかったため、かなり疲労が溜まっていたと思う

ひと目見ただけで俺の変化に気づいてくれたことに、少しだけ顔が緩みそうになる
ハウレス
……お気遣いありがとうございます。ですがご心配には及びませんよ
お気になさらないでください。これくらい、少し休めばどうにかなりますから
あなた
…………ハウレス、無理してるよね
ハウレス
え? い、いや、そんなことは……
ギュッ
ハウレス
はい…………?
全身が温もりに包まれる

俺は、主様に抱きしめられていた
ハウレス
あ、主様……!?
あなた
あのね、ハグしたらストレスが三分の一になるんだって
あなた
ハウレス、いつも頑張りすぎちゃうでしょ?
自分に厳しくしすぎなんだよ。たまには自分も甘やかしてあげて、ね?
主様に抱きしめられたまま、上目遣いでそう言われる

その姿はとても愛らしく、今すぐにでも抱きしめ返したいほどだった

その気持ちをグッと抑え、主様にひと声かける
ハウレス
あの、主様…………
あなた
? どうしたの?
ハウレス
……その…………俺も、主様のことを抱きしめてもよろしいでしょうか……?
あなた
なんだ、そんなこと?
もちろんいいよ、おいで
ハウレス
ありがとうございます……
ハウレス
では……その…………し、失礼します……
あなた
も〜固まりすぎだよ!
そんなに緊張しなくていいよ
ハウレス
(………………いい匂い……)
あなた
ふふ、おつかれさま。ハウレス
今日は私のことはいいから、ゆっくり休んでね
俺は主様のその言葉で気が抜けたのか、彼女の肩を借りたままスッと眠りについた
あなた
(…………うーん……まさかここで寝るとは思ってなかった……)
あなた
(どうしよう……疲れてるだろうから起こすわけにもいかないし…………
他の執事呼びたいけど、大声出したら起きちゃうよね……?)
あなた
(私だけで2階まで運べるかなあ……? うぅ…………)
あなた
…………誰か助けて〜……!

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