最近忙しすぎる…



勤務時間通りに終わることは無く毎日残業の日々

はぁ…頭がガンガンする、


やる事はいっぱいなのに体が追いつかなくてしんどい

ﾌﾗﾌﾗな状態のまま検査の部屋へ向かっていると何やらおかしな様子の患者さんがいた

バレないようにしようとしていたのか非常階段の近くにいた佐藤さん



私がいくら声をかけても届かないらしい

このまま放っておく訳にはいかず、引き止める


仕事が増えちゃったよ…

そのまま階段を降りていこうとする



もう結構高齢でバランスが取りにくいお年



階段で引き止めることだけはしたくなかったのにな

ﾌﾗｯ

佐藤さんがバランスを崩し前に転げそうになった


私は咄嗟に体を乗り出し階段から落ちないように後ろへと佐藤さんを押し出した



体調が悪かった事もあり受身をとることすら出来なかった

ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…ﾊﾞﾀﾝｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ！！

大きな音がした方に行ってみると、

腰が抜けたかのように地面に座り込んでいる佐藤さんがいた

でもなんで大きい音が、？

佐藤さんが指さす方を見ると、

ひとまず連絡をしてからミナの元へ行く

頭部からの出血してる…



非常に危険な状態だった。

だいたい機材を付けられた



階段から移動したいんだけどな

その一言で一気に現場の空気が凍りついた

いくら肩を叩いて呼びかけても、返事も少しの反応も返ってこない

そのまま何とかストレッチャーに乗せて手術室へと急ぐ


頭部を縫って、ヒビの入った骨の部分を固定して



頭部の精密検査をして

いつ状態が悪化するか分からないから集中治療室へと入院させる

その日から１ヶ月経ってもミナが目を覚ますことは無かった

頭部の傷を処置しながらそう呟いていた

ずっと一緒に過ごしてきたみーたんとは全く違う、



本当に自分らの事忘れたん…??

お昼休憩でみんなを集めてミナが目を覚ましたこと、記憶障害で私達との記憶が無いこと



全て話した

私達は｢奇跡｣が起きる事を願って日々過ごしていった

今ハッキリと聞いたこの耳で


｢ジョンヨンオンニ｣って

''焦らずにゆっくりミナのペースで''

この言葉は私が周りと比べられ、さらに仕事の忙しさに押し潰されそうになっていた頃


オンニが言ってくれた言葉。

無事に記憶を取り戻したミナ。




長い長いリハビリを乗り越えて、また病院内を忙しく駆け回っている





これでまたひとつ私達の絆は強く結ばれた。