暖かな日差しに包まれながら風にあたる
梅雨の時期にはまだ早いが、少しだけ風が湿っぽかった
本来ならば僕もおばあさんの農業を手伝うはずだった
はずだったのだが…
おばあさんも用心棒としてちょうどいいというので置いていかれた始末である
これはそまの置き土産だ
1人でいいと言ったのに、自分が置いていくって言ったくせに
僕が孤立するのは嫌らしい
自分で考えておいて吐き気がする
あの頃の僕はもういないのに
脳内に深く潜る寸前でしゆんに呼び戻される
しゆんは僕の返事も待たずに話し始めた
小学生の頃は毎日一緒に登下校だし(今もだけど)、僕が怪我したらキレながら保健室連れていかれるし…
とにかく僕が何か行動する度にそまさんがくっついてくる
しばらく1人でケラケラと笑い続ける
何がそんなに面白いんだか
子どもが新しい玩具を手に入れたような笑顔でそう言った
気温が1番高くなる頃、おばあさんたちが戻ってきた
他の3人、あのそまさんですら疲労が見えるのに何故こいつはこんなにもハイテンションなんだ
もう少し相手をしてやれとそまさんが苦笑いする
ダル絡みされるから嫌だね
しゆんさんとおばあさんの後を追ってキッチンへ向かう
背後から聞こえた声にそっと手を振った


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。