※ 肝試し編中は、ホラー要素が含まれます。
小説なので怖さはほとんど感じないと思いますが、
ホラーが めちゃくちゃ超絶苦手な方 は
見ないことをオススメします。
~ あなた side ~
後ろから声が聞こえた。
意表を突かれて驚いたような声が。
嫌な予感がしたから後ろを振り向いたけれど _____
________________ もう遅かったみたいだ。
胸が張り裂けそうなぐらい苦しい。
なんで、こんな事に………?
今にも溢れそうな熱い何かが、
瞳の奥から込み上げてきた。
だけど、それをぐっと堪えて私は頷いた。
グラウンドへ向かう道はとても長かった。
いや、正確に言うと長く “ 感じた ” 。
何故なら、道中で何人も 居なくなった から。
悲鳴を上げて消える事もあれば、
無言のまま消える事もあった。
どんどん仲間が減っていって、
このまま私も消えてしまうのではと何度も思った。
______________ そうして一階まで降りた時には、
もう、3人しか居なかった。
もう皆疲れてくたくただった。
早く……… 早く、ここから出ないと。
早く出て、警察に捜査を頼まないと。
皆と… もう一度、会わないと。
______ そう思った時だった。
きょーさんまで…
グラウンドまで必死に歩いた。
お互いを視認しながら。
でも、グラウンドには衝撃の光景が広がっていた。
グラウンドに _____________
…あぁ、らっだぁもどこかへ行っちゃった。
ちょっと目を離しただけなのになぁ
…これは夢なのかな。
夢であってほしいな。
もし本当に夢なら…
『 … つ ま ん な い 』
どこからか、気味が悪い声が聞こえた。
その声を聞いたのが最後だった。
いきなり意識が無くなった。
息が荒い。
心臓がうるさい。
でも、さっきまでの嫌な感じは無くなっていた。
…あれ、なんで嫌な感じだったんだっけ…?
何かがおかしい。
何かが引っ掛かる。
だけど、その引っ掛かりはだんだん消えていった。
そう言って幽城くんは電話をかけ始めた。
…なぜか、
「 肝試しが中止になって良かった 」
と思っている自分がいる。
なんでそう思っているのかは分からない。
でも、なんだか少し嬉しい気がする。
皆は夏の一大イベントがなくなって悲しんでるのに…
こいつ私が音痴なの知ってるくせにっっっ!!!!!!!
首の骨へし折ってやろうかぁ!?!?!? 怒
今、結構幸せかもしれない。
だって、こんなに沢山の良い友達と
楽しく過ごしてるんだもん。
なんだか怖い夢を見ていたような気がするけど…
多分気の所為だな。
…気の所為、だよね…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!