アテンション
タイトル通りポケモンパロです。
キャラクター達がポケモントレーナーになってます。
手持ちは捏造です。
授業が終わり、ノートを仕舞っていると亜久里に声をかけられた。
どうやら雄英内でポケモンバトルの大会が開かれるらしい。そして話しかけてくるという事は恐らく…
そんなぁ!と声を上げる亜久里を横目に少し前に捕縛布でぶら下がる俺を真似して逆さになったマーイーカーがカラマネロに進化した時の事を思い出す。あの時は本当にびっくりした。落ちるかと思った。
やはり妖守に矛先が向いた。
妖守の膝の上に顎を乗せて撫でられていた妖守のアブソルが顔を上げる。
いや強くないって嘘吐けお前。絡んできたチンピラに圧勝してたの俺知ってるぞ。
多分光の速さで教室を飛び出して行った亜久里をなすすべなく見送って妖守がため息を吐く。
これは…断れないな…
放課後に待っているであろう妖守とのバトル。準備はしておくか…とため息を吐いた俺を不思議そうに見上げてきたニャスパーの頭を撫でた。
放課後 雄英高校 バトルコート
羽河辺の合図と共にモンスターボールをお互い宙へ投げ、そこからポケモンが現れる。
俺はカラマネロ。妖守はアブソル。あくタイプのアブソルにカラマネロのエスパー技は効かない。タイプ相性は最悪だ。
カラマネロの燕返しをアブソルが電光石火でひらりと躱わす。
やっぱ一筋縄じゃいかないな。
電光石火でそのまま近付いてきたアブソルに催眠術が直撃する。
これで眠気状態。しばらくすればアブソルは眠り状態に入る。でも妖守の事だから何かしてくるはずだ。それこそ無茶苦茶な方法だったりして。
アブソルの遠吠えが響いてフィールドに砂嵐が吹き始める。
予想外過ぎる!覚えさせてたのかよ砂嵐!
砂がカラマネロとアブソルの体に当たってお互いダメージが蓄積していく。
なるほど。このダメージで眠気を覚まさせる気か!
とにかくこの砂嵐を晴らさないと…
サイコキネシスで集めた砂をアブソルの放ったバークアウトにぶつけて更に燕返しで風圧を起こす。
ゴォッと強風が吹いて砂嵐が晴れた。
よし、ひとまずこれで持続ダメージはなくなった。
妖守が首元に下げていたキーストーンへ口付けをするとアブソルのメガストーンとキーストーンが光で繋がり、光に包まれてアブソルの姿が変わる。
白と紺の体毛は夜のような漆黒に染まり、翼のように、爪のように立ち上がる。
メガアブソルZ。最近になって発見されたアブソルの新しいメガシンカ。
テラスタルオーブにエネルギーを集めて起動し、カラマネロの頭上に投げる。
カラマネロを結晶が包んで、結晶が壊れて。宝石のようにキラキラと輝いたカラマネロが現れる。
頭上に光るテラスタルジュエルはギザギザとしたフキダシ。
カラマネロのテラスタイプはあく。これならあく・ゴーストタイプのメガアブソルZの弱点を突ける。
お互い同じタイミングで技が放たれてぶつかる。
ああ、バトルってこんなに楽しいんだな。
技を食らって、食らわせて、ボロボロになりながらも楽しそうなカラマネロを見て思わず口角が上がる。
視線の端にポンポンを持って応援しているニャスパーと腕を組みながら妖守を見つめる妖守のゾロアークが映った。
ゾロアークの視線が少し悲しそうな気がしたが指示を出す声が聞こえて視線を戻す。
技と技がぶつかり合って煙がフィールドに広がる。
ゆっくりと煙が晴れていき、まだ立っている2匹が視線に入る。
ドクン、ドクンと心臓が鳴る。
ふらりとカラマネロの体が揺れてテラスタルが解除され、地面に倒れる。
審判である藍染の声が響いて、いつの間にか集まっていたオーディエンスから歓声が沸く。
ぐっと弱々しくも触腕を上げたカラマネロをモンスターボールの中へ戻す。
負けた。でも楽しかったな。
メガシンカを解いたアブソルと妖守がこちらへ話しかけてきたので対戦のお礼を伝える。
こちらへ駆け寄ってきたニャスパーをしゃがんで抱き止める。
後ろからは妖守のゾロアークが歩いて来た。
何を話してるんだろうと2人(1人と1匹)を見ていると亜久里が手を振りながら駆け寄ってきて妖守に抱き付く。
妖守に容赦なく剥がされた亜久里を見て苦笑いが口から出た。
わらわらと集まって来たいつもの6人で校内の方へ歩き出す。
きっと妖守なら大会も大丈夫だろう。
いつも通りのポーカーフェイスを崩さずにゾロアークと話している妖守を見て笑みが溢れた。
・心操人使
手持ちポケモンはニャスパーとカラマネロ。
ニャスパーはボールに入るのが嫌いなので基本心操の膝の上か腕の中にいる。
バトルには負けたが妖守と楽しいバトルが出来て嬉しい。
テラスタルオーブは相澤から仮支給されている。
・妖守あなた
手持ちポケモンはアブソルとヒスイゾロアーク。
ヒスイゾロアークは元々父のポケモン。両親が亡くなった後は主の娘である妖守に着いて来ている。
因みにアブソルの砂嵐はお試しで入れていた。本来はサイコカッター。
この後バトルトーナメントで結構いい所まで行った。
キーストーンは幼い頃にもらった母からのプレゼント。
ゾロアーク(ヒスイのすがた)
のろいぎつねポケモン
ノーマル・ゴーストタイプ
「白髪 振り乱し姿 死神の如く。
我が身をも 切り裂く 激しき怨讐にて
仇 襲い 道連れ覚悟で 仕留めたり。」
「Pokémon LEGENDS アルセウス」より
私はゾロアーク。ただのゾロアークではなく、ニンゲンの言う「ヒスイの姿」のゾロアークである。
前の主曰く、「ヒスイの姿」のゾロアークは大変少なく希少価値があるのだとか。
電話を終えたお嬢様にアブソルと返事をしてモンスターボールの中へと入る。
私の今の主の名は「妖守あなた」と言うニンゲンである。
私の前の主、呼応の娘君であられる彼女は、あの日から変わってしまわれた。
花のような笑顔は氷のように冷たく凍り付き。
太陽のような明るさは月明かりのような静けさに。
何にも囚われてなどいなかったはずなのに、彼女は“ソレ”に囚われて変わってしまった。
無論、ヒトと言うのは変化していくイキモノである。
彼女を元に戻す事は出来ないし。無理矢理今の道から外そうとするのが一番よくない事だとわかっている。
だが。
「ごめんなゾロアーク
あなたをどうか守ってあげてくれ」
情けないのだ。彼の最期の頼みすら果たせていない己が本当に情けなくて、ひたすら憎い。
私は強い。少なくとも、そこらのポケモンやニンゲンよりは格段に。
お嬢様を様々な悪意や苦しみから守る力を私は持っている。
それでもお嬢様を苦しめる原因。心の奥底に深く根付いた闇。それを断ち切る事は未だ出来ていない。
否、出来ない。
ポケモンである私には、いや、ポケモンでなくとも。きっと私の腕は、声は、この先も永遠にお嬢様の闇へ届かない。
どうやら学校へ着いたようだ。
紫髪の少年…確か心操と言ったか。にお嬢様が返事をするのをボールの中から見つめる。
お嬢様はこの少年に出会われてから少しだけ前のお嬢様を取り戻したように見える。
不本意ではあるが、きっとこの少年こそがお嬢様を苦しみの連鎖から救う唯一の突破口なのだろう。
であれば、私のすべき事はただ1つ。
今まで通りお嬢様を力の限り守り、補佐するのみ。
それがどこへ向かおうとも。
──────────「呪い狐の独白。」
ちゃぷがき














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!