第14話

忘れ去りたい過去 -3-
203
2021/03/24 14:38
あなた's past

そして、徹さ…及川さんと別れた。





それからというもの、私は影山と一緒に居ることが増え、少し仲が良くなったと思えば…





【及川さんと別れたのに…また違う男といるのね!男好き。】【及川さん振るなんていいご身分。】なんて言われるようになった。





…でも、もう卒業だ。
だから私は影山と話はしないものの、放課後の自主練だけは手伝っていた。


.








『トス、あげて。速いやつ。』




影山「そろそろ足やばいんじゃねぇの?」





『…打ちたいの』





影山「1日5本って決めてたろ。今日10本近いぞ。」





『ボール打ってる時って、なんか…認められてるような気がするんだよね。』






影山「?」






『私にも出来るんだー!って、笑』





影山「…でも、ダメだ。」





『トスあげないと、腕落ちるじゃん。』




影山「ダメだ!!だって、及川さんから…






『及川さん?』





影山「いや、なんでもねぇ。ダメなもんはダメだ。」




『ちぇー(拗)』





.






何本か打ったり、ボールを上げたり。
それだけだった…のに、



.






ある日、影山はまだ来ていなかったため、教室に戻ってみると…





影山「……」





影山は、静かに涙を流していた。





『影山…?』





影山「こっち来んな、」





『辛いことあった?吐き出していいから、』






影山「…じゃあこっち来い。」





そう言われ、近付いてみると…
ふわっと抱きしめられた。


誰かに見られるとやばい、と思って離れようとするも…



影山「…離れんな





と言われ、抱きしめる手が少し強くなったので、諦めることにした。



.





それからはまたいつもと変わらない日々…の、はずだった。




先程の一部始終を見ている人がいたようで…
"付き合っている"という噂が絶えなくなった。






言わずもがな、影山は顔がいい。モテる。



…だから、また私はいじめの標的となったのだ。




その中には、【及川さんはこんな最低な女と付き合ってたのね。】【及川さんはもっといい人が現れるはずだわ!】なんて言葉もあって。
…私の心はどんどん抉られていく。




付き合っている訳でもないのに、なぜこんなに言われなきゃならないのだ。




…もう、影山と距離をおこう、。
これからは、"中学が一緒なだけの人"と、認識しよう。そう心に決意した。



























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