クリスマスマーケットを楽しんだ帰り道――。
駅へ向かう途中、空から小さな白いものが落ちてきた。
あなたの下の名前が手を伸ばくと、ふわりと雪が指先に触れて消える。
みんなが空を見上げながらはしゃぐ。
イルミネーションと雪が重なって、街はまるで別世界みたいに輝いていた。
また始まる撮影大会。
騒ぎながら笑い合う時間が、あなたの下の名前は好きだった。
でもその時。
少し離れた場所で、知らない女子たちの声が聞こえた。
胸がぴくりと痛む。
“また何か言われるかも”
そう思った瞬間、無意識に足が止まってしまった。
すると。
隣にいたけちゃが気づく。
優しい声。
あなたの下の名前は少し迷ってから、小さく頷いた。
正直に言葉にできたのは、前より少し強くなれたからかもしれない。
するとけちゃは、ふっと笑った。
その言葉に、あなたの下の名前は目を見開く。
前の自分なら、絶対隠していた。
平気なふりをして、一人で抱え込んでいた。
でも今は、こうして言葉にできる。
すると後ろからあっきぃが割り込んできた。
みんなが笑う。
その空気に、あなたの下の名前の不安も少しずつ溶けていった。
駅へ着く頃には、雪は少し強くなっていた。
改札前。
みんなが手を振る。
あなたの下の名前も笑って振り返した。
その時、不意にぷりっつがあなたの下の名前を呼び止める。
ぷりっつは少しだけ言葉を探すように黙って、それから言った。
あなたの下の名前は少し驚く。
ぷりっつは静かに笑った。
胸の奥がじんわり熱くなる。
あなたの下の名前は雪の降る夜空を見上げた。
怖いことは、まだある。
嫌な言葉に傷つく日も、きっとこれからある。
でも。
“自分の気持ちを分かってくれる人がいる”
それだけで、世界は少し優しく見えた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!