第15話

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2021/06/13 10:46
お兄ちゃん達に近づく作戦を休んでる間も恐怖症を治そう作戦は続く。



お兄ちゃん達と(一定の距離はとりながらも)いちごミルクを飲みながらお話する。
お兄ちゃん達がゲームをしている(私にはさとみくんがジェルくんをからかっているように見える)のを見る。
これらをして少し時間がたったらまた廊下に行ってお兄ちゃん達に近づく。
お昼と夜は(なーくんが用意してくれた私用のミニテーブル)で4人でご飯を食べる。
そんな一日を繰り返していた。







そして1週間もすると残り1mの距離までスタスタと行けるようになった。
ジェル
おぉ~あなたすごいやん!
ななもり。
あとほんの1歩くらいだよ!あなた頑張れ!
あなた

~~~~~ッ

でない。その1歩がでてくれない。
1週間以上お兄ちゃん達と一緒に暮らして頭の中ではこの人たちは怖くない、というのを理解している。
けど、
私の心のどこかがまだ拒んでいる。
あなた

プルプル……

ななもり。
あなたはよく頑張ったよ!きっと明日には1歩出せるから今日はここまでにーーーー
あぁ、今日もここまでか。と私は自分が嫌いになりそうになったとき
さとみ
自転車ってさ、1回乗れたらもう乗れるじゃん?
と、急に今まで喋らなかったさとみくんが言った。
さとみ
だからさ、あなたも1回来れたらもう普通に近くに来れると思うんだよね。
あなた

……?

ジェル
どうゆうことや?
さとみ
でもあなたはその1歩がでない………
ななもり。
………さとみくん、そういう事かぁ。
私とジェルくんは?だったがなーくんは何かわかったようだった。
さとみ
別に1回俺達の“近く”にいれたらいいんだ。
あなたが動かなくてもあなたと俺達の距離が縮まればいいんだよ。
ジェル
それってつまりーーーー
さとみ
そ。こゆこと。
と言うが早いか、さとみくんは私の目をじっと見て……
あなた

~~~ッッッッ!?!?

1歩前へ出て私の目の前に来た。


近い。大きい。こんなにも男の人の近くに来たのはいつぶりだろう。私は咄嗟に目をつぶる。
初めてジェルくんに会った時もこんなに近くまではいなかった。
“逃げれない”という感覚が全身を駆け巡っている。
あなた

(怖ーーーー·····ッ)

恐怖で体が震えそうになった時
ななもり。
怖くないよ。
ジェル
大丈夫やで。
なーくんとジェルくんも1歩前に出て言ってきた。
私はうっすらと目を開ける。
すると見えたのは私の目線に合わせてしゃがんでくれたお兄ちゃん達だった。
さとみ
俺らはあなたのお兄ちゃんだから。大丈夫。怖くない。
優しい目で、声でそう言ってくる。
あの時の、あの男の人の冷たくて感情のない目と声とは違う。
私はいつの間にか震えも止まりしっかりと目を合わせられるようになった。
さとみ
やっぱあなた出来んじゃんニカッ
ななもり。
よく頑張ったねニコッ
2人はとても嬉しそうに言った。
そしてジェルくんは
ジェル
あなたとこんな近くで目が合う……!!
兄ちゃんは嬉しいぞ~~ッ( ;꒳; )
と目をうるうるさせながら手を頭に伸ばしてきた。
殴られるッッ…?



私はまた目をつぶってしまう。
ジェル
ポンポン
しかし目をつぶっても殴られはせずただ頭を撫でられた。
あなた

…………?

さとみ
あーッ!?ジェルずるッッ
俺も撫でる!!
ななもり。
じゃあ俺も~
ジェル
( ´-ω- )フッあなたの初頭撫で撫ではジェル様が頂いたでぇ!
ナデナデナデナデ
あなた

………………き。

さとみ
?なんて?
ななもり。
もしかしてあなた頭撫でられるの嫌だった!?
あなた

フルフル

あなた

その……頭撫でられるの好き………。

ななもり。
ジェル
さとみ
ななもり。
ウグッ
さとみ
カッ…
ジェル
グァァァァァ
とお兄ちゃん達がもがき始めました。
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