それに…凄い速度できてる…
…正直、集中しないと…姿が見えない…!
見えなかった…一瞬気を抜かしてた…!
ヒュッ!
…今、聞き捨てならんことが聞こえたようね…
上から目線だわ………
………
…!…ハウレス…
そ、そうよ…ハウレスが…そんなこと…しない…
嘘……そんなの嘘に…決まって…る…
…そんな……そんなこと…できるわけ…
その言葉を合図に…二人の知能天使の身体は強い光を放ち…
辺りは…白い光に包まれた…
その時、私は…誰かに腕を掴まれた…
っ…やっと…光が消えたわ…
やっと辺りを見渡せる…
助けを求める声の方を向いた…そこには…
鳥籠に捕えられた偵察隊と、サルディス家の軍隊の姿があった。
私たちが突然の出来事に困惑している中…
ミヤジとルカスの二人が知能天使に切り掛かった。
ズバッ…!
ズバッ!
知能天使たちは羽を広げ、上空に飛ぶ。
それに合わせて、兵士たちが捕まっている鳥籠も上空に浮かんだ。
すると、ケルビムは鳥籠を自分の前に移動させた。
…なんで…あんなこと…あんなに平然とできるわけ…?
なんで…こんな酷いことを…
そ、そんなの無茶よ…!
あんな高さにあるのに…私の浮遊魔法も…あんな高く…
もう…遅いわ……
そういうと、セラフィムは鳥籠に手をかざす…
その手が、徐々に輝き始める。
あ、あれは……
お願い…わ、私が思う…そんなものじゃ…ないで……お願い…!
そんな…嘘っ…
その瞬間、セラフィムの手から眩しい光が放たれた。
兵士たちの悲痛な叫びが、あたりに響き渡る。
……しかし、その声もすぐに聞こえなくなった…
光がなくなると同時に…鳥籠の中にいた兵士たちの姿も、消えてなくなっていた。
…私は…腰に力が抜けた。
そのままその場に座り込んだ。
なんだ、この光景は…何が起きた…知能天使が…テディや隊長…ユーハン以外の兵士…を鳥籠の中に入れて…
そして…消えた…
……正直、今はそんな頭が回らない…
何…あいつら……一体なんのために…
え…?ただ…人間の表情を見たくて…こんな酷いことをしたわけ…?
本当に……なんて…
そのまま、知能天使の二人は…天空に飛んでいってしまった…
…知能天使が去った後に残されたのは…重い沈黙に包まれた…悪魔執事たちと…
そして…地面を叩きながら涙を流す、テディの姿だけであった…
…私も…腰が抜けたまま…ただ…ぼーっとしていた…
何が起きたのかすら…うまく理解がいかなかった…
ただ…情報量が多くて…頭が痛くて…何も考えられなかった…
その後私たちは…なんの成果も得られないまま、街まで退却した…
遠征の結果…悪魔執事総員無傷…しかし…当初の目的であった、知能天使の捕獲には失敗し…サルディス家の兵士は、ユーハンを残し、全滅…
グロバナー家偵察隊も…隊長とテディさんだけが…生き残っただけだった…











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!