第82話

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2026/04/11 06:14 更新
ベリアン・クライアン
こっちに来ます。
それに…凄い速度できてる…
…正直、集中しないと…姿が見えない…!
ルカス・トンプシー
みんな、主様の警護を…
ミヤジ・オルディア
こい…
バスティン・ケリー
主様を守る…
ムー
僕も守ります!
ベリアン・クライアン
主様…ご安心ください。何があっても私たちがお守りします。
あなた
……ぇ




セラフィム
やぁ…やぁ…
ケルビム
ふぅ…
あなた
っ…!
見えなかった…一瞬気を抜かしてた…!
ベリアン・クライアン
あの距離を一瞬で…
バスティン・ケリー
やはり速いな…
セラフィム
ほらほら、そんなに怖い顔しないでくれよ。そんなに私たちが怖いのかい?
ケルビム
セラフィム、無駄話をしている暇はない。早く霊の作戦を実行しよう。それに……
ヒュッ!
ケルビム
…悪魔執事の弓矢も私たちを狙っている。
セラフィム
わかったよ。…安心して欲しい。悪魔執事とその主…君たちを傷つけるつもりはないさ。
ムー
え?今…なんて?
…今、聞き捨てならんことが聞こえたようね…
上から目線だわ………
………
…!…ハウレス…
ハウレス・クリフォード
お前ら…主様から離れろ。
セラフィム
おやおや?もう追いついてきたんだね、ハウレスくん。大丈夫…私たちは君らを傷つけないよ。
ケルビム
うん…
セラフィム
だって…約束したじゃないか、ハウレスくん。
あなた
…ぇ…?…
ハウレス・クリフォード
約束…?な、何を言ってるんだ?
セラフィム
君は約束通り人間たちを連れてきてくれた。地上を支配する貴族の人間の情報は貴重だからね。ありがとう、感謝するよ。
ハウレス・クリフォード
な、なんのデタラメを…!!
そ、そうよ…ハウレスが…そんなこと…しない…
ケルビム
ふふ…もう隠す必要はないんだよ、ハウレスくん。君が連れてきた人間たちは、私たちがすべて貰い受ける。だから…私たちが交わした契約について、貴族たちにばれる心配はないんだ。
嘘……そんなの嘘に…決まって…る…
ケルビム
私たちの「命を作る」能力を使って…君の妹を蘇らせるのと引き換えに交わした、あの契約をね…
…そんな……そんなこと…できるわけ…
ハウレス・クリフォード
な、なんだって…?
偵察隊 隊長
あ、悪魔執事…そういうことだったのか…だから…無理にでも今回の遠征に行こうと申し出たのだな!
ハウレス・クリフォード
ち、違います!そんな事実はありません!
ケルビム
それじゃあ…始めちゃおう…
その言葉を合図に…二人の知能天使の身体は強い光を放ち…
辺りは…白い光に包まれた…
ベリアン・クライアン
ま、眩しい…!
あなた
っ…め、目が…っ!
バスティン・ケリー
くっ…
その時、私は…誰かに腕を掴まれた…
ベリアン・クライアン
だ、大丈夫ですか?主様?
あなた
だ、大丈夫よ…
っ…やっと…光が消えたわ…
やっと辺りを見渡せる…
あなた
一体何が起こって……っえ…?
若い兵士
た、助けてくれ…!誰か…!
あなた
っ…!!
助けを求める声の方を向いた…そこには…
鳥籠に捕えられた偵察隊と、サルディス家の軍隊の姿があった。
セラフィム
ふふっ…♪  大量だ…
ケルビム
あぁ…人間を理解するのに、いい研究材料になりそうだね。
フェネス・オズワルド
まずい、兵士たちが…
ラムリ・ベネット
僕たち以外、全員捕まっちゃったの!?
ベリアン・クライアン
いえ…テディさんと隊長さんはご無事のようです。
シノノメ・ユーハン(少佐時代)
くっ…め、目が…
バスティン・ケリー
おい、ユーハン!大丈夫か。
シノノメ・ユーハン(少佐時代)
ば、バスティンさん…はい、私は大丈夫です……私の部下たちは…!?…あ、あれは…!
ルカス・トンプシー
ミヤジ!
ミヤジ・オルディア
あぁ、わかってる。合わせろ、ルカス。
私たちが突然の出来事に困惑している中…
ミヤジとルカスの二人が知能天使に切り掛かった。
ミヤジ・オルディア
兵士たちを返してもらうぞ。
ズバッ…!
セラフィム
おっと…危ない危ない…
ルカス・トンプシー
あなたたちの好きにはさせない。
ズバッ!
ケルビム
ふふ、残念…当たらないよ。
ルカス・トンプシー
くっ…かわされた…



知能天使たちは羽を広げ、上空に飛ぶ。
それに合わせて、兵士たちが捕まっている鳥籠も上空に浮かんだ。
フルーレ・ガルシア
ま、まずい逃げられる…!
ナック・シュタイン
アモンくん、フルーレくん!知能天使を狙ってください!
アモン・リード
了解っす!
フルーレ・ガルシア
逃してたまるか…
ケルビム
ふふっ…
すると、ケルビムは鳥籠を自分の前に移動させた。
ナック・シュタイン
!!…兵士を盾にするつもりですか…二人とも、矢を放ってはなりません!
アモン・リード
人間を盾にするなんて…卑怯な奴らめ…
ケルビム
やはり悪魔執事は人間を攻撃できないんだね。
…なんで…あんなこと…あんなに平然とできるわけ…?

なんで…こんな酷いことを…
ロノ・フォンティーヌ
逃げられるぞ!
フェネス・オズワルド
でも、あの高さまで飛ばされたら…俺たちじゃ手出しできない。
ラト・バッカ
逃しません。私の短剣なら届きます。
フルーレ・ガルシア
だめだよ!ラト!もし兵士に当たったら…!
セラフィム
ふふっ、焦ってる焦ってる。
テディ・ブラウン
くっ…待て!仲間たちを離せ!
セラフィム
ん?あれは…
若い兵士
て、テディ福隊長!逃げてください!
若い兵士
こっちにきたら、あなたまで捕まって…
テディ・ブラウン
お前たちを見捨てられるか…!絶対に助ける!
そ、そんなの無茶よ…!
あんな高さにあるのに…私の浮遊魔法も…あんな高く…
もう…遅いわ……
若い兵士
て、テディ副隊長…!
若い兵士
…助けてくださいっ!俺たち、まだ死にたくありません!
セラフィム
何やらこちらに向かってくる人間がいるみたいだね。へぇ…凄まじい殺気だ。捕まった人間たちが、相当大事なんだね。
若い兵士
テディ副隊長…!!
セラフィム
感情を高ぶらせて…みんな熱いねぇ…人間という生き物はいろんな表情をするから本当に面白い。焦り…怒り…恐怖…不安…もっと見てみたい…例えば…絶望の表情とかね。
そういうと、セラフィムは鳥籠に手をかざす…
その手が、徐々に輝き始める。
あ、あれは……
お願い…わ、私が思う…そんなものじゃ…ないで……お願い…!
若い兵士
ま、眩しい…!
テディ・ブラウン
なっ…!な、何をするつもりだ!?
セラフィム
ふふっ…君たちも兵士だったら…天使の放つこの光が、何を意味するか…わかるよねぇ…?
テディ・ブラウン
あ、あの光は…天使が人間を消す時の…
若い兵士
うわあぁぁあぁ!!テディ副隊長、助けて…!!!
若い兵士
いやだ!まだ…、まだ死にたくない…!!
テディ・ブラウン
や、やめろ…やめてくれぇえぇええ!!!!
そんな…嘘っ…
セラフィム
うんうん。いい表情だ。
その瞬間、セラフィムの手から眩しい光が放たれた。
兵士たちの悲痛な叫びが、あたりに響き渡る。
……しかし、その声もすぐに聞こえなくなった…



光がなくなると同時に…鳥籠の中にいた兵士たちの姿も、消えてなくなっていた。
テディ・ブラウン
そ、そんな…嘘だ…嘘だ…嘘だ…!!うっ…うぅ…!うあぁぁあぁぁぁぁあぁぁ!!!!!
あなた
…嘘……そんな…
ベリアン・クライアン
なんてことを…
…私は…腰に力が抜けた。
そのままその場に座り込んだ。
なんだ、この光景は…何が起きた…知能天使が…テディや隊長…ユーハン以外の兵士…を鳥籠の中に入れて…
そして…消えた…
……正直、今はそんな頭が回らない…
何…あいつら……一体なんのために…
セラフィム
ふふふ、とてもいい!その顔が見たかった!
え…?ただ…人間の表情を見たくて…こんな酷いことをしたわけ…?
本当に……なんて…
ケルビム
ちょっとセラフィム。なんてことをしてくれたんだ。せっかく捕虜を捕まえたというのに。貴族の兵士が全員消えちゃったじゃないか。私の警戒、ちゃんと聞いてなかったの?
セラフィム
すまない。ちょっと興味を抑えられなくて。
ケルビム
君は本当に好奇心が旺盛だね。まぁ、そこまで計算に入れてなかった私のミスでもあるけど…でも、次はないから。気をつけてよ?
セラフィム
わかったわかった。あっ、じゃあこういうのはどう?あの叫んでいる男を連れて行くというのは?
テディ・ブラウン
ぐっ…うっ…ぅっ…(泣)何が…副隊長だっ…!肝心な時に…俺は…何もっ…っ…何も…!
セラフィム
ほら…彼も一応、貴族たちの兵士だよ?それか…あそこで腰を抜かしているのは二人いるけど…その中の、隊長の方とか…彼らを捕虜として連れていけばいいんじゃない?
ケルビム
…いや、それはだめだ。彼らには、やってもらわなければならないことが残っている。人間が形成する群れにおいて…指揮官の証言には、それなりの重みがあるはずだからね。彼らの役目は、これからさ。
セラフィム
役目…?それって…?
ケルビム
後で教えてあげるよ。さてと…それじゃあ、悪魔執事のその主。私たちはこれで…
セラフィム
ああ、そうだ。ハウレスくん。
ハウレス・クリフォード
……!な、なんだ…
セラフィム
私のせいで、せっかく捕まえた人間たちを消してしまったけど…君はちゃんと役目を果たしてくれた…妹のトリシアちゃんの件は、また今度話そう。いい取引をありがとうね、ハウレスくん。
ハウレス・クリフォード
くっ…!また訳のわからない戯言を…!!
セラフィム
ふふふ…それじゃあ、またね…
そのまま、知能天使の二人は…天空に飛んでいってしまった…
…知能天使が去った後に残されたのは…重い沈黙に包まれた…悪魔執事たちと…
そして…地面を叩きながら涙を流す、テディの姿だけであった…
テディ・ブラウン
くそっ…!っ…くそ…!うっ…ぅ…(泣)
あなた
……て、テディさん…
…私も…腰が抜けたまま…ただ…ぼーっとしていた…
何が起きたのかすら…うまく理解がいかなかった…
ただ…情報量が多くて…頭が痛くて…何も考えられなかった…








その後私たちは…なんの成果も得られないまま、街まで退却した…
遠征の結果…悪魔執事総員無傷…しかし…当初の目的であった、知能天使の捕獲には失敗し…サルディス家の兵士は、ユーハンを残し、全滅…
グロバナー家偵察隊も…隊長とテディさんだけが…生き残っただけだった…

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