第7話

【7話】第三の影
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2025/06/16 04:00 更新
一人一人に与えられた部屋。



壁を見つめてシミの形が何に見えるかという
遊びに熱中していると、

扉が叩かれているのに気がついた。
福ノ実
福ノ実
ん、こーしろっち?

扉を開けると、意外な人物が立っていた。
福ノ実
福ノ実
へー意外だね〜、
一人で出歩いたら危ないよ


福ノ実
福ノ実
ホント、襲われても何も言えないよ?
オレは.......多分大丈夫だけど、
福ノ実
福ノ実
つーか、暇だよね、
さっきまでこうやって、壁のシミ見てた
...ヘンだって言うなよ?
気まずい、全く喋らない。
それどころか俯いたまま、目を合わせてくれない。

福ノ実
福ノ実
ここでひと笑いさせたいんだけど、いい?
.......よし、ここらでちょっと
1発芸披露しちゃいマース!
福ノ実
福ノ実
えーっと、じゃあ!
福ノ実
福ノ実
...え?
福ノ実
福ノ実
待って、待って待って、何それ、ナイフ?
福ノ実
福ノ実
それ、え、待っ...
だッ、誰かッッ....むぐッ、
福ノ実
福ノ実
んんんッッ、....ん、んんんーーーッッッ!


やばい、無理無理死ぬ...ッ、


これやばいって、死ぬパターンじゃん、



待って、、無理帰りたい。




怖い、死ぬの怖い。怖い怖い怖い怖い怖い...ッッ



帰りたい...帰りたい帰りたい...ッ、






家に......帰り...............





早朝。
花散
花散
...またか
蛍はベッドの上で仰向けに横たわっていた。
腹部には血のシミが広がっている。

問答無用で光士郎は服を捲る。
花散
花散
...捻られている。
腹部に刺して、凶器を捻っている

柊
も、もしかして、消された...のか!?



光士郎は言葉を発しなかった。

ただその場に立ち尽くし、
冷たい視線で全員を順番に見つめた。
アニマ
アニマ
殺したのは権兵衛さん?
紫陽花
紫陽花
...は?

羽初
羽初
違うッッッ!!!
権兵衛が否定するよりも前に、
風雅がキッパリと否定した。
羽初
羽初
権ちゃんはそんな事しないッ、
紫陽花
紫陽花
そうだ、君こそ犯人じゃないのか?
...犯人を押し付けて
アニマ
アニマ
違いますっ、
夏海
夏海
でもさ、ワザと注意を逸らせるためとか
いろいろとあるよね、
一ノ瀬
一ノ瀬
そうだよね...怪しい
羽初
羽初
そんなことないっ、
権ちゃんは無実だ!
柊
...オマエら、黙れ


隣の一言でしーんと静まり返った。
そして、ひと呼吸おいて光士郎は権兵衛に尋ねる。
花散
花散
権兵衛、弁明は?
紫陽花
紫陽花
...俺を犯人に仕立てあげたいなら
好きにしろ。でも、俺はやっていない

そのまま、権兵衛は静かに部屋へと戻って行った。
その後の屋敷の探索にも顔を出さなかった。
八重桜
八重桜
ねぇ光士郎、この探索って意味あるの?
花散
花散
いいや、暇つぶしだ
アニマ
アニマ
そう言えば、ゲームマスター...
全然出てきませんね
一ノ瀬
一ノ瀬
確かに...

灯りの落ちた施設内。
廊下は凍りついたように静まり返っている。
誰もが眠れずに布団の中で息を潜めていた。
いつ殺されるか分からないような
恐怖と隣合わせだった。

...ガタ

何かが動く音がした。


誰かが、部屋の外を通る。
そして、誰かの短い叫び声が聞こえた。



扉を蹴破るように光士郎は飛び出した。
花散
花散
誰か今、叫んだか?
八重桜
八重桜
今、なにか聞こえたよね

柊
こっちだっ!
夏海
夏海
えぇ、な、何が!?
一ノ瀬
一ノ瀬
また殺されたの?

駆け寄った先、
壁に寄りかかる権兵衛がいた。

羽初
羽初
ご、ごごッ、権ちゃ...ッ、
花散
花散
おい……大丈夫か!?
誰にやられた!!
紫陽花
紫陽花
...わからん..、
顔は...見えなかった...ッ
息を荒くして、刺されたと思われる腕を
ぐっと掴んで止血している。
八重桜
八重桜
通り魔...的犯行?
紫陽花
紫陽花
...多分

花散
花散
…俺の従者に、こんな真似をするとはな
光士郎は唇を噛み、
静かに視線を落とした。

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