私達はお互いの話をしながら、いくつかのアトラクションを巡り、
今は、最後のアトラクションへと向かって歩いていた。
最初の燐音くんからの提案の通りスタンプラリーの設置場所を順番に周っている間、
仕事の前視察のために…なんて燐音くんに誘われたけど、実は私を息抜きさせるため…楽しませるために誘ってくれたんじゃないか
…なんてことを考え始めるほどには余裕も出来て、結構楽しめていた。
もし本当に、燐音くんが私を楽しませるために連れてきてくれたのなら、それは大成功だ。
その言葉で、はっと思考の世界から現実へと戻ってくる。
燐音くんが見上げた先にあるのは観覧車。
もうすっかり日も暮れ始めていて、観覧車のライトアップが光り輝き、とても綺麗だ。
思わず感嘆の声が零れる。
その言葉を合図に手を差し出され、驚いて燐音くんの方を見る。
……が、燐音くんはニコニコと笑うだけだ。
この手をとったら、まるで、エスコートされているみたいになるじゃないか。
……観覧車も行ってしまうので、大人しく手を取った。
観覧車に乗り込めば、ゆっくりと上昇していく。
上昇すればするほどに、下から見上げた景色とは比較にならないほどの夜景が広がる。
観覧車からの夜景はさぞ綺麗だろう、なんてことは想像していたのに
その想像を優に超える、数々の明かりから目が離せない。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。