第40話

38 ⌒ 、
310
2024/07/11 09:00
side _ HiMERU










口の動きが止まったのを認めて、声をかける。
HiMERU
HiMERU
……もう食べ終わりましたか?
椎名ニキ
椎名ニキ
口に入ってたものは全部飲み込んだっす!!
椎名ニキ
椎名ニキ
でも冷めると嫌なんで、先にこれ全部食べちゃっていいっすか〜?
HiMERU
HiMERU
……それでは、HiMERUはこの席から対角線上にある別の席に移動しますね
椎名ニキ
椎名ニキ
えぇっ!?なんでですか!?
HiMERU
HiMERU
………
椎名ニキ
椎名ニキ
無言で席を立たないで欲しいっす!!!

引き止められては仕方ないので、 再度席に座り

気になっていたことを聞いてみる。
HiMERU
HiMERU
…先程は、なんと言っていたのですか?
椎名ニキ
椎名ニキ
んぃ、あ〜!
椎名ニキ
椎名ニキ
どこに行くんすか〜って聞いたんすよ!

どこへ行くもなにも ないでしょう。

ここへ来たということは、食事をしに来たということ。

つまりただ、空いている席を探していただけです。

少し考えればわかること、それをわざわざ聞く必要などないのです。

待っていて損をした気分になり、また席を立つ。
HiMERU
HiMERU
………
椎名ニキ
椎名ニキ
待って待って、僕なんかしましたか!?
HiMERU
HiMERU
……椎名は何もしていませんよ。 ですがHiMERUが椎名を待つ理由もないので♪

にこりと微笑みながらそう言う。

椎名を待つ理由がないのは事実だが、

席を立ち、わざわざ移動する理由も特にないのが現状である。

しかし ここにいても椎名の言動に振り回されだけ、ですからね。
椎名ニキ
椎名ニキ
うぅっ、ちょっとだけ待って欲しいっす!
椎名ニキ
椎名ニキ
今ちょうど困ってて、HiMERUくんにちょっと聞いて欲しいんすけど…
HiMERU
HiMERU
………

ふむ、困っているようには見えませんが…

……そういえば、なぜ椎名は食事をしているのでしょうか。

…いえ、食事をしているのは平常通りですが、

HiMERUの記憶違いでなければ、今はアルバイトの時間だったはずなのです。
それがなにか、関係あるかもしれませんね。

単なる休憩時間だというのであれば、HiMERUの杞憂なのですが…
HiMERU
HiMERU
ところで 椎名、アルバイトはどうしたのですか?
椎名ニキ
椎名ニキ
……!!
HiMERU
HiMERU
もしや悩みというのは、アルバイトをせず食事を摂っていることと関係が?
椎名ニキ
椎名ニキ
な、ななななんで
椎名ニキ
椎名ニキ
エスパーっすか!?
HiMERU
HiMERU
……違うのです。
HiMERU
HiMERU
ただ、簡単な推理をしただけですよ。
椎名ニキ
椎名ニキ
なぁんだ、やっぱりHiMERUくんは流石っすね〜♪
椎名ニキ
椎名ニキ
僕には推理なんて出来そうもないっすもん

とはいえ、悩み事の内容までは推理出来ませんでしたね。

まぁ情報が少ないことが要因でしょうが。
HiMERU
HiMERU
…結局のところ、椎名は何故食事を摂っているのですか?
椎名ニキ
椎名ニキ
え〜っと、なんか今日はミスを連発しちゃって…
椎名ニキ
椎名ニキ
それで、お昼休みを延ばされたんすよね〜、

ミスを、連発…?


一瞬、聞き間違えたのではと耳を疑った。


アイドルに関して何かミスをするというのならまだ分かりますが

…いえ、最近はほぼないのでなんとも言えないのですが

そうではなく、

椎名が料理に関してでミスをするなどゼロに等しいはずです。

それなのに、椎名がミスをした。

しかも1回ではなく、“連発”とは…
HiMERU
HiMERU
空腹が極限に達したのですか?でなければ、椎名が料理に関してミスなど…
椎名ニキ
椎名ニキ
別にお腹は空いてなかったんすけどね〜?
HiMERU
HiMERU
……異常事態ですね。

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