手には、
不思議な形状の黒檀仕立ての折りたたみ扇子。
だがその骨組みは鋭利な金属でできており、
開けば日本刀にも劣らぬ硬質な刃がきらりと覗く。
握りは細身でスマートだが、
一度振れば影さえ断つ特注の暗器。
柚は折りたたみ扇子をパチン、と鋭く閉じる。
そのたった一音だけで、
茉由の連れも一瞬身構えるほどの空気が走る。
茉由は薄く笑いながらも目を細める。
湊が奏の近くで鉄パイプを振りかざし、
由佳が茉由の横に回り込む。
柚は折りたたみ扇子の先端を茉由の影に向け、
微笑みながら宣告する。
完全に柚側が有利と化した…。
バンッ――!!
甲高い銃声が、
まるで合図のように路地裏をつんざく。
壁に火花、足元に弾痕。
その響きを一歩も譲らず割って入る影は______
二人だけかと思ったが、
まさか三人目出てくるとは思わなかった…。(
あんま長引くとさ、
人集りが出来そうで怖いんだよねぇ…
個人的には戦いたい気持ちが高いんだけど…←



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。