<実弥side>
俺は日曜の昼下がり、家でごろごろしていた。
特にやることも無く、暇である。
このままでもどうにもならないので、俺は適当に家の中を歩く。
時間があるので本でも読むか、と家にある本棚へ向かった。
本棚のある部屋に着くと、1冊の本が落ちていた。
少し古びていて、不思議な感じだ。
その本のタイトルは、
家に歴史的な出来事なんてあっただろうか。それも書き記して残すような……。
俺はその本が妙に気になったので、読むことにした。
ペラペラとページをめくっていく。たわいもない出来事や話ばかりだ。
しかし、1つ気になる項目があった。
『死神と遭遇した日』
「私はある日、死神と思わしき男に遭遇した。
その男は真っ黒なローブを身につけ、フードを被っていた。
手には大鎌を持ち、町を徘徊しているのを見た。
その男が大鎌をひとたび振ると、人の身体から青白い人魂のようなものが現れた。
その男がそれを回収し、去った後それを取られた人は皆、事故や病気で近いうちになくなった。
あれは恐らく、人の魂であろう。
数日後、私は死神と思わしき男と出会ってしまう。
私は懇願した。まだ殺さないでくれ、と。
男はこう言った。
「お前は標的ではない。……殺しはしない。俺からはやく離れた方がいい。」
そう言った男の顔は酷く悲しそうだった。
男の髪は深い青すなわち紺碧色で、目も同様だった。
人間離れした美しい顔だった。
私はこのことを、一生忘れないだろう。」
これを呼んで思い浮かんだのは、先日尋ねてきた冨岡のことだった。
またページをめくる。
「私は、その男の存在を伝えようと近所を駆け回った。しかし、誰も男を見ていない、と言う。
どうやら見えているのは私だけのようで、私は酷く衝撃を受けた。
それは、あの男が本当にこの世の者では無いことを示している。
私が、私だけが見ることが出来た。
私の一族は霊感が強いと言われていた。
信じていなかったが、証明されてしまった。
私には人ならざる者が見えることが。」
俺の先祖は霊感が強かった。それが俺にも引き継がれている……?
俺はこの間の冨岡の言動を思い返す。
あの時、冨岡は苦しそうだった。
人を殺すのが嫌で、悲しくて、辛くて。
あんな顔をしたのだろうか。
俺のところに来たのは、俺を殺すため、なのだろうか。
アイツは優しいんだ。
死神なのに人を殺したくない。傷つけたくない。きっとそう思ってる。
本当に死神なのかもわからないが、俺にはなぜかそう思えた。
なァ、冨岡。まずは、












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。