第5話

知りたい
90
2025/11/17 22:21 更新
          <実弥side>
俺は日曜の昼下がり、家でごろごろしていた。
特にやることも無く、暇である。
このままでもどうにもならないので、俺は適当に家の中を歩く。
時間があるので本でも読むか、と家にある本棚へ向かった。
本棚のある部屋に着くと、1冊の本が落ちていた。
少し古びていて、不思議な感じだ。
その本のタイトルは、
不死川実弥
【不死川家伝録】……?
家に歴史的な出来事なんてあっただろうか。それも書き記して残すような……。
俺はその本が妙に気になったので、読むことにした。
ペラペラとページをめくっていく。たわいもない出来事や話ばかりだ。
しかし、1つ気になる項目があった。
不死川実弥
『死神と遭遇した日』……?
        『死神と遭遇した日』
「私はある日、死神と思わしき男に遭遇した。
その男は真っ黒なローブを身につけ、フードを被っていた。
手には大鎌を持ち、町を徘徊しているのを見た。
その男が大鎌をひとたび振ると、人の身体から青白い人魂のようなものが現れた。
その男がそれを回収し、去った後それを取られた人は皆、事故や病気で近いうちになくなった。
あれは恐らく、人の魂であろう。
数日後、私は死神と思わしき男と出会ってしまう。
私は懇願した。まだ殺さないでくれ、と。
男はこう言った。
「お前は標的ではない。……殺しはしない。俺からはやく離れた方がいい。」
そう言った男の顔は酷く悲しそうだった。
男の髪は深い青すなわち紺碧色で、目も同様だった。
人間離れした美しい顔だった。
私はこのことを、一生忘れないだろう。」
これを呼んで思い浮かんだのは、先日尋ねてきた冨岡のことだった。
不死川実弥
(紺碧の髪と瞳……、美しい顔……。)
不死川実弥
(大鎌、黒い服……)
またページをめくる。
「私は、その男の存在を伝えようと近所を駆け回った。しかし、誰も男を見ていない、と言う。
どうやら見えているのは私だけのようで、私は酷く衝撃を受けた。
それは、あの男が本当にこの世の者では無いことを示している。
私が、私だけが見ることが出来た。
私の一族は霊感が強いと言われていた。
信じていなかったが、証明されてしまった。
私には人ならざる者が見えることが。」
俺の先祖は霊感が強かった。それが俺にも引き継がれている……?
俺はこの間の冨岡の言動を思い返す。
不死川実弥
『なァ、その、大鎌、?はなんなんだァ?』
冨岡義勇
『……ッ、これは……。』
あの時、冨岡は苦しそうだった。
人を殺すのが嫌で、悲しくて、辛くて。
あんな顔をしたのだろうか。
俺のところに来たのは、俺を殺すため、なのだろうか。
アイツ冨岡は優しいんだ。
死神なのに人を殺したくない。傷つけたくない。きっとそう思ってる。
本当に死神なのかもわからないが、俺にはなぜかそう思えた。
なァ、冨岡。まずは、
不死川実弥
お前のことォ……、もっと知りてぇよ……。

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