修正2025/10/11 ストーリーちょびぃぃぃっと
?「若井、滉斗」
誰の声だろ…わかんない、頭の中で響く声だ。ここどこ、真っ暗でなんも見えない…手足の感覚もない。何も感じられない。
?「我は…そうだな、この世界の、管理人とでも言おうか」
(ほんとにいたんだ、神様って。)
?「あいや、神様とかでは全然ないです。魔法とか使えないし。ふぁいやー! とか」
(…うん?)
?「管理人任されたのもつい最近だし……あ、魔界の管理人、篝火と申します」
(……)
?「若井君は、えーと、まだ一回も死んだことがないと」
(えと、あ、はい…そうですけど)
流石に無理だったか…、一か八か、生き残れたらよかったけど。
ってか、声も出ないや。口とかないのかな、
?「死んだ時点での最大の魔力量で、次の生に移るまでの時間が決まります。若井君は、えーと、なにかスキルを使ったのかな、スキル使って三千万とかかな…うん、」
ってか、なんか、すごそうな感じがしたけど、急に普通になったな
?「あんまり神様っぽいのが好きじゃなくて、こっちのほうが楽なんです。皆様期待されるので、最初はこんな感じでいってるんですけど…」
(ほ、ほう)
?「次の生に移るまでの魔力割る十の数字の年数、だから三百万年ですね。その間、天国か地獄で過ごしてもらいます」
(………三百、万??)
?「私もこんな数見たことないです、、すごい魔族だったんですね若井君」
そんなに時間が経ったら、もう、二人にも会えないんじゃ…。
?「二人?」
(あ、俺の今までとか、知ってるものだと)
俺の心全部見られてるじゃん…嫌だななんか、
?「死因しか見てないですよ。意識飛んでからの転落死ですね、じゃあ今から見ます…」
突然目の前に現れた管理人。パーカーにジーンズ、茶色のお団子ヘア。一見、ただの普通の人間のルックスだ。翼も、つのもない…
?「あ、そうだ、若井君は要約された文章を読んで判断しろと、上から伝言がありました。長すぎるので、倍速しても日にちが経ってしまうので…では、失礼します」
丸い眼鏡をかけて、俺の目の前で座って読み始めた。気づけば、手足の感覚も戻って、自由に動けるようになっていた。
若「あの…管理人さん」
?「はい?」
若「俺はどうすれば」
?「あ、よければお飲み物お持ちします」
若「ありがとうございます、」
管理人さんは真っ暗な奥へ進んで行き、腕から溢れるくらいの缶を抱えて戻ってきた。
?「とり、あえず、コーラ、です!」
若「いやいやいやいやいや!?」
無茶な! ってか、なんでそんな大量に、!!
?「わわ、っ」
若「じっとしてて下さい」
手を前に出し、缶に魔力を纏わせた。出せば分かるが、今の俺の魔力は百分の一にも満たない。筋肉も、生きるための必要最低限しかないし、スキルも何も使えない。
?「私が殺されちゃうと色々まずいので、力はほとんど引き継げないんです」
若「そりゃそうだ、」
?「すごいですね、若井君は使えてる」
若「これぐらいなら、まあ、技術でまかなえそう」
?「私また死んじゃう」
…
若「今って、心読んでるんですか」
?「ん? 読めないですよ。あの時は心じゃないと会話できなかったから」
若「そうですか、よかった」
?「ん、よかったってなんですか」
若「や、別に」
…そんなわけないか。
?「では、私は作業に戻りますね」
若「あっ、はい」
その間は魔法で出来ることを模索したり、飲み終わったコーラの缶で遊んでみたり、思いつく暇つぶしは粗方試した。
若「暇だ…」
?「…若井君」
若「あっ、終わりまし」
?「何故貴方は、ここに来たのですか」
それは、…何故って言われても、
若「アイツを、救けたかっただけです」
?「アイツというのは、大森元貴のことですか」
若「…」
若「罪滅ぼし、もある。快楽で、人を殺したこと」
?「三百万年地獄に耐えることが、罪滅ぼしになると?」
若「それは…」
?「私は、そうは思わない」
?「ご都合主義とは良く言ったものです」
やっぱり…。
俺は、何者にも、
?「すれ違ってばかりですね。貴方も」
眼鏡を取って、赤く腫れた目をこちらに向ける。
若「す、すれ違うって」
?「いつも、何もかもが手遅れにならないと、大切なことに気づけない」
?「藤澤君は元貴君じゃなくて、貴方を救けようとしてたとか」
若「ぇ、」
は…は? なに、な、なんだよそれ、
?「藤澤君は蘇りましたよ。でも、記憶なんて引き継げる訳もなく、力を持て余して暴れてるんじゃないですかね」
?「彼、こう言ってましたよ。きっと俺の死で、滉斗は目を覚ましてくれる。滉斗は強いから、きっともっと素敵な方法で、元貴を…って。」
若「そ、そんな、」
?「ハハ、神様も意地悪だなぁ…」
?「また一に戻りましたね。結局誰も救われてない。折角命を捨てたのに」
足の力が抜けた。
?「記憶を消すなんてことできませんよ。お気楽に次の生を生きられると思わないで下さい」
?「もう…ヒーロー気取りは、できない」
何もかも、この世の何もかも、自分が動いた何もかもに、意味はなかった。
結局はそんなもんか。
どうするのが正解だった?
分からない。
どこから間違えたのかな
なんで、自分なんて、生まれてきたのかな
分からない。なんにも分からない。
分からない
誰も、答えを教えてくれないまま
また、明日が始まる。
罪の残響が、呪いのように、日々を蝕んでいく。
そしてまた、明日が始まる。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!