第4話

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2025/11/22 14:33 更新
shk side


kr
…しばらく声を出せないと思う。首を動かすことも控えた方がいいからね
意識は戻ったものの、言葉を発することも身体を起こすこともできないゼンにきりやんは安静にするように言い渡した。

ゼンさんが何か言いたげな表情をしていたが、きりやんは気づかないまま部屋を去る。たぶん、Nakamuあたりに呼ばれたのだろう。

ゼンさんを見ればじっと俺のインカムを見ては苦しそうに顔を歪める。
shk
ゼンさん、"灰"を入れた小瓶を持って行かれたのはわかりましたから
"灰"

それは彼女ジャスミンが消えた時、最後に残ったもの。数gしかない灰色の砂を、彼はお守りのように小瓶に入れ、常に身につけていた。
そしてどうやらその小瓶を奪われたらしい。

遺灰を欲しがるような奴らなど、一つしかない。彼女を造り出した研究機関。昔、ゼンさんとジャスミンさんが殲滅したはずの研究者たち、生き残りがいたのか、はたまた彼女の研究資料がどこからか流出したのか。

あのスマイルでさえ、ジャスミンさんの研究資料は見つけられなかった。彼女は気にしないと言っていた。むしろ無い方が幸せだと……
shk
スマイルも全力を尽くしてくれてますから
ゼンさんは声を出さない代わりに俺の手のひらを指先でなぞり、言葉を伝える。

…"DNA"……?
shk
DNAがどうかしたんですか?
"つくられる"
"あいつののぞまないこと"
"くりかえされる"
"とめないと"
ぞわ、と全身の鳥肌が立った。

まさか、こんなに滅したのに奴らはまだ合成獣キメラの研究を進めるかもしれないと言いたいのだろうか?
shk
ジャスミンさんのような合成獣キメラが再び作られると思ってますか
"うん"




今回、きっとゼンさんは動けない。ならば、「俺達」が動けばいいだけ。まずNakamuに話を通そう。計画も全部、それからだ。
shk
必ず、止めます。だから…
"シャークんさんたちなら、だいじょうぶ"


少し彼は笑った。何日ぶりだろう、ゼンさんが笑った顔を見るのは。
shk
Nakamuに話してきます。少し待っててください
彼の為にも、彼女が安らかに眠る為にも、一刻も早く終わらせてやらないと。永遠の苦しみなんて、あってたまるかよ
shk
Nakamu、話がある
nkm
ゼンさんの件?
shk
話が早いな
nkm
スマイルから連絡もらってたからね
どうやら一足先に説明してくれていたらしい。そういう細かい気遣いができるところが、スマイルという良いやつだ。
nkm
こっちも重点的に探してる。それこそ昔の研究機関の資料とか、ね
渡された資料をパラパラと流し見た。
ネズミを用いた実験から人間を使うまでの経緯が書いてあったり、どのような要素を入れるか、などがメモされている。
nkm
でも本当にジャスミンさんに関する資料だけが無いんだ。そこだけすっぽり消してしまったみたいに…
ピピッ、インカムがなる。
sm
"シャークん、敵のあらかたの位置を割り出したい。城下町ぐらいまでの聞き込みと潜入を頼む"
shk
"わかったすぐ行く"
nkm
気をつけてね
珍しく、Nakamuがそんなことを言う。
びっくりして固まっていると、Nakamuが少し気まずそうに視線を逸らす。
nkm
なんとなく、今までとは違う気がするんだ。だから、いつも以上に気をつけていってきてほしい
shk
…わかった
俺は軽く荷物の整理をしたあと、顔を隠して城下町へと繰り出した。

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