あれから数日が経過、木像は完成し、あとは現地で組み立て作業をするだけだった。
先生の車に各々が木像のパーツを積んでいく作業中、
日向の服にペンキが落ちた。余ったペンキを倉庫にしまおうと運んでいた賑やかな集団が飛ばしたものだった。
黄色と赤の混ざりかけの色。
マーブル模様に日向の体操服にベッタリと着いた。
最悪なことにこの日はこの作業と部活以外はなかったので日向等クラスの大半は着替えを持ち合わせていなかった。
そう言って日向は重い足で教室へ向かう。
1回廊下、2年のクラスが並ぶ中日向は残っていた紘輝と目が合う。
最初は日向に話しかけに行ったが日向の姿を見て紘輝は驚いた。
服にペンキがべっとりと付いていて垂れないように持ち上げていた。
紘輝はテニス部を辞め文芸部に入っていたため今日は制服で来ていた。
日向がそう言うと紘輝は自分の来ていたカッターシャツを手渡した。
日向は遠慮がちに答えカッターシャツを受け取るとそのまま着替えにトイレに入った。
その間紘輝は酷く混乱した。
彼女からの評価を気にすると同時に自分の服を好きな子が着る背徳感もあった。
逆に日向は
と自己嫌悪に苛まれると同時に脈拍が異様に高くなる。
でもそれはきっとこの部屋が暑いからと言い聞かせた。
変に勘違いしないようにと。
そのまま体操服を脱ぎカッターシャツを来て紘輝の所まで歩く。
日向は少し鏡で前髪と触覚を整え万全の体制で紘輝の前に現れた。
一緒にクラスメイト達の前に現れないのはカッターシャツが誰のものかを隠し、彼女がからかわれないようにする紘輝の最低限の配慮だった。
日向は恥ずかしくて顔も合わせられなかった。
保健室での言葉をそっくりそのまま返された。
日向はこれが恋ではないと必死になった。
でもやっぱりこれは不可抗力だろう。
紘輝が好きだと実感せざるをえなかった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。