第30話

雨の日。。。
2,604
2021/08/12 07:58
今日は近くにできた新しいパン屋さんでパンを買って気分がるんるんしてます。
紙袋の中からでも香ばしいいい匂いが漂ってきて、家に帰る足が早足になる。
冷める前に食べないと!
すると、頭に雫が落ちてきたと思うと、あっという間にシャワーのような雨に変わって近くのお花屋さんの屋根に雨宿りすることにした。
あぁ〜あ、せっかくのパンが冷めちゃう……
パンを守ろうとして服はビショビショだし…
もうここで立って食べようかな?
るぅと
るぅと
あれ、あなたちゃん?
そこには花屋から出てきたるぅとくんがいた。
るぅと
るぅと
どうしたの、こんなところで、
ビショビショだし…
するとるぅとくんはポケットからハンカチを取り出して私の頭を拭いてくれた。
るぅと
るぅと
も〜、風邪ひかないでよ〜…?
(なまえ)
あなた
ッ…///
距離が近くなって心臓がドキドキする。
(なまえ)
あなた
るぅとくん、通る人見てるからっ
るぅと
るぅと
あ、ごめん、
(なまえ)
あなた
…誰かにお花?
るぅと
るぅと
あ〜、なんかジェル先輩に頼まれて、
るぅと
るぅと
あなたちゃんは?
(なまえ)
あなた
家に帰ろうとしたら、降られちゃって…
雨宿りすることにした
るぅと
るぅと
でも、やむのに時間かかりそうだし、
るぅと
るぅと
入ってく?傘
(なまえ)
あなた






私はるぅとくんの傘に入って、家まで送ってもらうことにした。
るぅと
るぅと
夏に雨降るとムシムシするから嫌だよね〜
(なまえ)
あなた
ねー、ジメジメするし…
傘に入っているので、お互いの肩がたまにぶつかるくらい近い。私は全部傘に入っていて、濡れずにすんでいるけど、るぅとくんは外側の肩は雨に濡れているに違いない。
るぅと
るぅと
あなたちゃん、濡れてない?
(なまえ)
あなた
うん、大丈夫だよ
るぅと
るぅと
相合傘なんて人生で初めてだから、距離感とか分かんなくてw
(なまえ)
あなた
るぅとくんは大丈夫なの?
るぅと
るぅと
うん、大丈夫〜
多分嘘。傘にキレイに大人ふたりが入りきれるわけない。
るぅと
るぅと
もうそろそろ?
(なまえ)
あなた
あ、うん…、
もう少し、この時間が続いてほしい。
少し、歩幅を小さくして歩くと、るぅとくんは何も言わずにそれに合わせてくれる。
そんなさり気ない優しさが好き。
でも、すぐ私のマンションの前に着いてしまった。
(なまえ)
あなた
…ありがとう
るぅと
るぅと
どういたしまして。
るぅと
るぅと
じゃあ、僕、この花ジェル先輩に届けないといけないから!またね!
(なまえ)
あなた
うん、また
パンはとっくに冷めていたけど、



私の心は温かいままだった。

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