第7話

名前も顔も、思い出せない
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2025/06/15 11:47 更新
ラウールside
ラウール
“雪野澪”?ーーー誰それ?
転校生が来たって聞いて、俺は特に気にもとめなかった。





たくさんの人間がいる中で、名前をいちいち覚えてられない。




少なくとも、俺の記憶にはその名前も、顔もなかった。






昼休み。



ふと顔を上げたら、向こうの廊下を歩く“雪野”って子と目が合った。


ーーー妙に冷たい視線。




それなのに、なぜか胸がチクリと痛む。

ラウール
(ーー俺、なんかしたっけ?)
でも、思い出せない。




それどころか、そもそも“関わった記憶”すらない。
佐久間大介
前の学校で一緒だった子じゃないの?
佐久間が、そんな話を振ってきた。
佐久間大介
なんかさ、雰囲気…あの時の“紅一点”に似てるんだよな
紅一点?
ああ、そんなのいたかも。




でも…誰だっけ




名前は…顔は…?
ラウール
(忘れてるの俺だけ?)
みんなもきっと、忘れたふりをしてるだけだ。




だって思い出すには、都合が悪すぎる過去だから。
ラウール
(俺もその中のひとりだった…?)
でも、今の“雪野”は、あの頃の彼女とはまるで別人だ。





自信に満ちていて、誰のことも見ていないような、そんな目をしている。



それでも、目が離せない。




引き寄せられる。





知りたくなる。




…誰だったんだ、あの子は?
ラウール
(俺もしかして、取り返しのつかないこと、してないよな、?)
第7話終
これが、無自覚な加害者ってやつですね、なける

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