なんか最強だね
【本当、それしか言えない】
そうです、あなたの転スラの世界の名前様は最強なのです
えへへ
あ、悟さん……
【え?】
あなたの転スラの世界の名前が声をかけた途端、スライムは水へ落ちる。
【え?】
【水に落ちた……?】
そうみたい……
【息苦し……くない?】
それもそのはずでしょう。悟様はスライムですので呼吸は必要ではありません
良かった……
【……そういえばそうだな】
【あ、いいこと思いついた】
?
?
その突如、スライムは落ちた湖の水を吸い込み、発射する。
わぁ、凄い……
スキル、水圧推進を貰っても可笑しくありませんね
【スキル《水圧推進》を獲得しました】
?
我のスキルの機能です
近くの者が世界の言葉を聞きますと、我々にも聞こえます
なるほど
【大賢者と似てる声だ……】
【でも、のんびりその事を検証する余裕はない】
【……怖い】
大丈夫……?
【痛いような……あれ、痛くない】
悟様はスキル《痛覚無効》を獲得している為、痛みは発生しません
な、なんか今、スライムの細胞?が出てきて、包み込まれた……
それはスキル《自己再生》をユニークスキル《捕食者》で補助をしているからでしょう
なるほど……
【スゲェな、そのスキル。全て正解だ】
……後さ、悟さん
【?】
前、ドラゴンがいるよ
【は?】
星王竜様の弟君、暴風竜でしょう
聞こえるか、小さき者と……
わあああ、すいません〜!!
兄上のお気に入りマナスではないですかぁ!
【は?】
……カナト……
我は知りません。確かに星王竜様のお気に入りマナスですが
……ん゛ん゛!
聞こえるか、小さき者と兄上のお気に入りマナスの主よ
聞こえてますね
【……聞こえてるわ!ハゲ!!】
ちょ、
……ほ、ほほぅ。我の事をハゲ呼ばわりするか……
兄上のお気に入りマナスといるから下手に出てやったが、どうやら死にたいみたいだな!!
……大丈夫なの、カナト
大丈夫です。一種の冗談です
なら良かった
おいそこ!!ネタバレするな!!
あ……ごめん
……マスターの責任にはしませんけど、我はスキルとして役立ったのみ
【え、えっと……】
あ……
【す、すまん!!聞こえるなど、思っても見なかった!!】
私達と会話してるのに
【それに、自分、目も見えない状態でして……】
……
ククク。クハハ。クハハハハハハッ!!
【笑いの三段活用。見事である】
う、うむ……嬉しいぞ……って違うわ!!
我の姿を見ての発言かと思ったが、目が見えぬなら、見せてあげよう!!
スライムは基本、思考もせず吸収・分裂・再生を繰り返すだけの低位モンスター
そのスライムが我に体当たりを仕掛けてくるから不思議に思ってたのだ
ネームドか、ユニークモンスターか?
【すんまそん。ちょっと意味がわからないです。実は自分、こちらに生まれて九十日目でして……】
あ、そうなんだ
……空気を読んでこころの中で突っこんでください
あ、ごめん
……ふむ、自我がある時点で、普通のスライムには有りえぬことなのだ
では、ユニークか?
【ユニークと言いますと?】
ユニークモンスターとは、突然変異したような異常な能力を持つ個体のことだ
希に魔素濃度の高い場所で生まれることがある……そうか、貴様は我から漏れ出た魔素の塊から生まれたのだな!
【ふむふむ】
ふむ。この三百年、我に近づくことも出来る魔物すらもいなかったのだ。我の魔力のもとから生まれたなら、我に触れることが出来るのも頷ける!
【ほほぅ……て事は、貴方が自分の親みたいなもの?】
親ではないが……
我は生殖能力はない。魔物は生殖能力を持つ者と持たぬ者、様々であるからな
【普通、生殖能力は持ってるんじゃないの?とゆうか、魔素の塊から生まれることもあるなら、生殖する必要がないのか?】
お前、えらく知性的だな。普通の魔物では、思考能力すら持つものは少ないというのに。知性がある魔物は魔人しかいないのだが……
暴風竜・ヴェルドラは長々と説明した。
この世界には、人間が居る。
そして、色々な種族を説明した。
……で、我には生殖能力がないという理由だが……必要ないからだ。我は〝個にして完全な者〟であり、四体しか存在しない〝竜種〟が一体。〝暴風竜〟ヴェルドラとは、我のことである!
我には寿命も肉体も存在しない!意志さえあれば我は不滅なのだ!
クアーーーハハハハハハハ!!
【そ、そうなんすか!大変わかりやすい説明、ありがとうございました!】
待て。我の事を話してやったのだ。今度はお前の番ではないのか?ん?
【う……】
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