家族に会えない時間は長くて
体感はもう既に1年くらい入院してる気分。
そんな日々も今日の検査次第では家に帰れる。
「佐藤さーん」
「あっ、はい!」
もう少しづつ声が出るようになってきた俺の声は
手術前より少し違和感のある声で
口いっぱいに頬張って何か食べてるみたいな喋りずらさ
この声そらが聞いたら笑いそうだな。
なんてふと考えたりする。
あー、早く会いてぇ。
「検査結果出ましたよ。今日退院出来そうですね。」
「ほんとですか!?」
無事に退院できて家族に早く会うべく
車を走らせる。
「ただいま。」
すげぇちっちゃい声しか出ねぇのに
そらが気付いてリビングから出てきた。
そら「あっ!パパだ!!!おかえり!パパ!」
「ただいま。」
そら「ん?」
「ふふっ笑」
笑うと少しまだ痛むのに
声が変なせいか首傾げて俺を見るそらが面白くて
思わず笑ってしまう。
「声変?笑」
そら「うん。」
俺の声の小ささにつられてそらの声まで小さい。笑
「リビング行こ。」
そら「うん。」
親バカと言われてもいい。
これは可愛すぎる。
そらとリビングに行くとキッチンでご飯つってるあなたとベビーベッドでいい子に寝てるのどか。
『あっ、おかえり!』
ほぼ口パチで
「ただいま」
って言うとあなたが笑った。
『そんなに声変わるんだ!』
ってちょっといじってくる。
「かっこいいだろ」
『……まぁね。』
なんだ今の間笑笑
本当に嘘つくの苦手だな。笑
久々の家族時間。
本物の宝箱みたいに開けると宝石が沢山で
3人の姿を見ると思わず笑みがこぼれる。
ピンポーン
珍しく家のチャイムがなり
インターホンを覗いてみると
なにしてんだこいつら。
そら「だーれ?」
まずいな。
そらに彪雅来たなんて言ったら迷わず吹っ飛んでくもんな。
俺が悩んでれば勘ぐりのいいそらが
そら「わかった!コムドットだー!!」
って玄関に食らいつきに行った。
『ご飯みんな食べるかな?』
「直ぐに帰らす。」
『いいの?』
「うん。」
俺もそらの後を追って玄関に向かうと
なんかデケェ箱持ってる彪雅。
彪雅「おっ!優太!退院おめでと!
これそらとのどかのプレゼント!」
そーいやクリプレ買ったとか言ってたな。
ガチで持ってきたのか。笑
そら「プレゼント!?開けていい?」
彪雅「いいよ!」
そらが豪快にプレゼント開けると
今そらがハマりにハマってる
ピカチュウのフィギュアがでてきた。
俺もポケモン好きだしフィギュアもコレクションしたりするからつい興奮してしまった。
そら「パパ!やったね!ありがとう彪雅!」
彪雅「ふふっ笑 めちゃ興奮してるやん笑」
彪雅「優太の好きそうなもん買えば喜ぶと思ったけど予想当たったな!笑」
「ありがとな笑」
そら「ね!パパ!あの部屋飾っていい?」
あの部屋というのは俺の書斎で
そこにコレクションを飾ってる。
「いいよ。」
プレゼント貰ったし
「飯食う?」
彪雅「えっ、あんの?」
「うん。」
彪雅「じゃあ食ってこ!」
いつもながら躊躇のない返事。
少しは遠慮しろよな。笑
今日はそんな強く言えねぇけど。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。