あなたside
お店を飛び出したものの
やまとの居場所は分からない
一か八か。
やまとは来るか分からない
でも、もう一度会いたいから、
もう一度会ってちゃんと思いを伝えたいから、
私は待つんだ
やまと 「あなた?」
『やまと、』
やまと 「…」
『ごめん、急に呼び出したりして』
やまと 「俺、嬉しかったよ」
やまと 「あなたの偽名(下の名前)に、いやあなたにもう1回会えて」
やまと 「もう二度と会えないと思ったから」
『私も。本当に自分勝手だってわかってるけど、迷惑かけて最低最悪だってわかってるけど』
『やまとに、もう1回会いたかった』
目頭が熱くなっているのがわかる
ギュッ
視界が涙で溢れてるけど
やまとの腕の中に包まれているのはわかる
やまと 「ありがとう、そう言ってくれて」
『あのね、私、やまとの…』
やまと 「俺、あなたが好きだ、だーいすき」
やまと 「だから、もう二度と離したくない」
やまと 「もう二度と俺の前から居なくなって欲しくない」
やまと 「俺にはあなたしかいない」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!