息が続かない。
体がいちいち反応してしまうのと同時に、肺もびくつく。
高橋さんは手を伸ばして少し肩に寄せ、いつのまにか視点は上へと向いていた。
膝枕のせいでより頭がふわふわする。
必死に息をしようと、口が塞がらない。
微かに、先程のハーブティーの香りがした。
胸のあたりをぽんと優しく叩かれる。
赤子をあやすように、心地いい一定のリズムで。
ただ静かで、互いの息の音だけが聞こえる。
時折、側にある公園からボールの弾む音と、子供の笑い声が聞こえた。
少しその音に耳を傾けただけで、こちらの存在を位置付けるようにシャツの袖で遊ばれる。
こんな近くから優しい視線を向けられるのは久々で、どこか気恥ずかしささえ覚えてしまう。
いい大人がどうしたとか、そんな考えも抜けていた。
こちらが口を開けば、すぐに反応した。
咄嗟に「仕事なのは分かっているのですが、」と付け足す。
自分がどんな顔をしているのがだいたい想像できてしまって、恥ずかしさに顔を覆う。
「ですが、」とそのまま目を伏せてから言葉を続けた。
落ち着いていて涼やかな声が、上から落ちる。
「もちろん、無理にとはいいませんが」と口の端を持ち上げる。
自然に第一ボタンを開けられ、鎖骨から体が反応した。
急に褒められたようで、思わずぎょっとしてしまう。
幼少期以来のその言葉に、体を縮めた。
💬 元ネタより控えめなのなに
あと結構前にタイトル変えました🙏












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。