第14話

第12話 賞レースの結果と告白
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2022/04/15 06:57 更新
あなた
賞レース準決勝が始まった
順番はくじ引きで決められるため、事前に心の準備をしておくことはできない
しかも、準決勝からは全国ネットの生放送
これまでの1次や2次とは違う
山谷洋子
山谷洋子
「私たち、テレビを見ている全員に見られてるのね」
秋山 信忠
秋山 信忠
「あぁ……初めての生放送が賞レースなんてな」
思えばここに来るまで長いような短いような道のりだったと信忠は思う
あの高級バーに、いけすかない賞レースを優勝した芸人が飲みに来なければ、ここにはいなかったのだから
しかも、あの時優勝した芸人は、今回から審査員として参加している
向こうは覚えていなくても、信忠にとっては忘れられない顔だった
山谷洋子
山谷洋子
「信忠君……緊張してる?」
秋山 信忠
秋山 信忠
「……いや、大丈夫。いつも通りやろうな」
山谷洋子
山谷洋子
「うん!」
ドキドキしながら信忠と洋子はステージを見守る
ステージではくじを引き、そこの番号にかかれたコンビが1組、また1組と部屋を出ていった
そして5組目……ついに信忠と洋子が呼ばれる
秋山 信忠
秋山 信忠
「行くよ」
山谷洋子
山谷洋子
「えぇ!」
あなた
信忠と洋子はこれまで経験をしたことのない緊張感の中、無数のカメラが並ぶステージに行く
信忠はいつも通り落ち着いていたが、洋子は緊張のあまり天然がいつも以上にひどかった
だが、それが大ウケを誘い、会場を沸かせた
結果、信忠と洋子は現時点で2位
そしてすべてのコンビのネタが終わった時点で3位となり、決勝戦に進むことになった
山谷洋子
山谷洋子
「信忠君! 決勝戦に来ちゃった!!」
秋山 信忠
秋山 信忠
「まだ、まだだよ。落ち着いて、ここで勝たないと優勝じゃない」
山谷洋子
山谷洋子
「そうだね。私たち、そのために頑張って来たんだものね」
秋山 信忠
秋山 信忠
「あー……でも、洋子はてんぱった方が面白いから、落ち着かない方がいいかもね」
山谷洋子
山谷洋子
「も~何それ~」
準決勝以上の緊張感が2人に襲い掛かっていたが、2人はお互いに微笑みあった
2人の間には、誰にも入り込むことのできない絆ができていたからだ

しかし、現実はそこまで甘くはない
決勝戦に入り込めたのは奇跡
だが優勝できるのは奇跡だけではなく、やはり実力も必要不可欠だ
信忠と洋子は、再び会場を沸かすことはできたものの、審査員からは2票しか入らず2位となった
今年の優勝コンビが、あまりにも強かったというのもある

だからだろうか
2人も、このコンビニは負けても仕方がないと思えてしまったのだ
信忠も洋子も、まだまだ自分たちの実力不足を思い知る結果となったが、再びここに来て、今度こそ優勝をしようと決意し合った

ただ賞レースで優勝ができなかったので、洋子は信忠に告白するのをやめた
もしここで告白をして、振られて、関係がぎくしゃくしてコンビ解散となったらもったいないと思ったのだ

洋子もまた、本気でお笑いの道に進む決意をした
決意をしたのだが――

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