前の話
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母親からの少ない仕送りを元にアルバイトを掛け持ちながら暮らしていくのにもなんとか慣れてきた7月中旬、私は夕日が差し込む蒸し暑い教室の中1人机と向き合っていた。
あなた「ああ、もう、なんで私、…はぁ、」
教室の時計は午後5時を過ぎたところだった
あなた『数学だけは、赤点取らないように頑張ってたつもりだったのに、よりによって、、鬼の佐々木、、』
佐々木「おい、ちゃんとやってるか?」
あなた「…っ!?あ、はい、」
佐々木「坂下先生に聞いたけどお前、中学の頃学年トップだったんだってな」
あなた「はは、まあ、、」
苦笑いを過ぎたひきつり顔を晒している自覚はあったが反応が難しかった、私だって取りたくてこんな点数取ってるわけじゃない。
┈┈┈┈┈┈┈┈ 今日の昼 ┈┈┈┈┈┈┈┈
紫乃「期末が終わって夏休み前のこの時期1番平和だよね〜、、幸せ」
紫乃は小学校からの付き合いで唯一なんでも語り合える親友だ。
あなた「だね〜、夏休み何してんの?」
紫乃「んー、勉強?あ、あなたの家泊まりいくわ」
あなた 「やった〜!!」
紫乃「片付けは自分でやってよね」
あなた「ちぇ、そんな時間ないんだよ〜」
紫乃「バイト今何個だっけ」
あなた「えっとね〜今は〜、、」
ガラガラッ
シーン
紫乃「うわ、鬼だ鬼、こっわ、笑えよ」
あなた「佐々木に笑顔なんて無縁でしょ(笑)」
紫乃「え、ちょ、こっち来る、」
佐々木「お前、赤点、補習な」
あなた「えっ!?」
紫乃「、、え!?」
佐々木「放課後、この教室使うから補習ない奴は速やかに下校な〜」
クラスのあちこちから恐怖と驚きが混じったまばらな返事が返ってきている
あなた「そんなぁ、、」
紫乃「数学だけは赤点とるなってあれほど言ったじゃん!!」
あなた「分かってるよ!取ってないつもりだったのに、、」
紫乃「とりあえず、ドンマイ。補習終わったら連絡して。夜ご飯一緒に食べよ。元気だせ。」
あなた「はあい、、」
一通り回想を終えたあともう一度教室に入ってきた佐々木に目をやる
佐々木「何ぼーっとしてんだ、早く解け。」
あなた「先生って、、おいくつですか?」
言葉がつい口から出てしまってすぐに後悔した。
あなた「あっ、いや、その、あの、えっとー、いや、意外にお肌が綺麗だなーって、はは」
佐々木「意外?」
あなた「あの、いや、意外っていうか、そのー、えっと、、」
焦りながら恐る恐る佐々木に目をやるとこちらを睨みつけているように見えて余計に焦る
あなた「えっとあの、そのー、いや、知らなくて、あの、、、」
佐々木「落ち着け、それ解き終わったら教えてやっから。」
怖くて顔は見れなかったがなんだか少し、いつもより、ふわっとした声だった。案外優しい人なのかも、そんな思考がよぎった。
佐々木「あ、ちなみに、夏休み、毎週木曜と土曜赤点者補習だから宜しく。」
あなた「はぁっ!?」
佐々木「あ?」
やっぱ最悪












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。