___レイside
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……
ここはどこだ?
真っ暗だ。
何も見えない。
俺は確か……追手に追われて……
そうだ、あなた……あなたは!?
辺りを見回すが何もない。
誰の姿もない。
そうか、これは夢なのだと気づいた。
早く目を覚まさなければ。
謎の人物?が助けてくれたあとどうなったんだ。
あなたの様態は……、
俺が振り返ると、そこには"俺"がいた。
ハウスにいた時の服を着てる。
首にあのペンダントはぶら下がっていなかった。
こちらをじっと見る目は、ゾッとした。
自分の姿をしたやつに聞くのも変だと分かってはいたが、聞かずにはいられなかった。
そいつは俺に飛びかかって来たかと思うと、首に手をかける。
上にのし上がられて身動きが取れない。
何故か首を絞めてくるこの手も振りほどけず呼吸ができない。
こいつの言葉が深く突き刺さる。
分からない。
分かるわけないだろ。
そう答えたいのに声が出ない。
苦しそうな顔。
握られない手。
切れない鎖。
全てがフラッシュバックして首を絞めつけた。
意識が途絶えた。
目を開ける。
まだ夢の中だ。
早く目を覚ましてあいつらに会わなきゃいけないのに。
ここは……また知らない場所だ。
フカフカのベッドの上で寝ていて、
窓からは温かな日差しが差し込んでいる。
先程いた場所とは全く違う場所だ。
ここはどうやら2階のようだ。
1階の方から声が聞こえる。
階段を下り、そっと扉に手をかける。
少し開くと"見覚えのあるような"髪色の人が立っていた。
こちらを振り返る。
ぷつり、とテレビの電源を消したみたいに映像はそこで途切れた。
__お前は一体何を守ると決めたんだ?
あいつの声が木霊する。
俺は何を守ると決めたんだろうな。
結局口ばかりで
あいつの手も握れやしない。
いつも苦しむのはあいつで
俺は楽な道ばかり選んでいる。
あいつの手を握って「大丈夫」だっていうのは
あいつの為でもあるが、違う。
そうだ。
結局自分を慰めるためだけの言葉に過ぎなかったんだ。
言い聞かせるように。
信じられるように。
あいつがいつでもそばに居てくれるんだって
そう思い込めるように。
あいつの笑顔を見る度思うんだ。
俺は自分が嫌いだって。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!