前の話
一覧へ
次の話

第59話

俺は自分が嫌いだ
56
2026/02/28 14:00 更新
___レイside
:
:
……
































ここはどこだ?





真っ暗だ。
何も見えない。









俺は確か……追手に追われて……








そうだ、あなた……あなたは!?










辺りを見回すが何もない。
誰の姿もない。





そうか、これは夢なのだと気づいた。














早く目を覚まさなければ。










謎の人物?が助けてくれたあとどうなったんだ。










あなたの様態は……、
レイ







俺が振り返ると、そこには"俺"がいた。
レイ?
…………。






ハウスにいた時の服を着てる。
首にあのペンダントはぶら下がっていなかった。





こちらをじっと見る目は、ゾッとした。
レイ
……誰だお前、





自分の姿をしたやつに聞くのも変だと分かってはいたが、聞かずにはいられなかった。



レイ?
お前は俺だし
俺はお前だ。
レイ
何言ってんだおま___!?





そいつは俺に飛びかかって来たかと思うと、首に手をかける。








上にのし上がられて身動きが取れない。
何故か首を絞めてくるこの手も振りほどけず呼吸ができない。
レイ?
お前は一体何を守ると決めたんだ?
レイ?
お前が守ると決めたものは
事実守れてないだろ。
レイ?
守るために6年かけて計画して
レイ?
でも結局はママの思い通り
ノーマンは出荷された。
レイ?
死んだ。
死んだんだよノーマンは!
レイ
………ぐっ……、




こいつの言葉が深く突き刺さる。
レイ?
エマもあなたも女の子だ。分かるだろ?
傷をつけちゃいけないんだ。
レイ?
なのにお前はお前の私欲で
あいつらに"発信器"を切らせた。
レイ?
どれ程の痛みだったか分かるか?
なぁ、おい!!




分からない。










分かるわけないだろ。















そう答えたいのに声が出ない。
レイ?
今考えた作戦も馬鹿らしいよな。
せめてあなただけでも助ければ
あんなことにならなかったのに。
レイ






苦しそうな顔。









握られない手。











切れない鎖。













全てがフラッシュバックして首を絞めつけた。
レイ?
命をかけて三人を・・・守ると
決めたんじゃないのか。
レイ?
出来てないじゃないか。
レイ?
何も出来ない腑抜けが。
レイ?
お前なんか____

















意識が途絶えた。













































目を開ける。




まだ夢の中だ。









早く目を覚ましてあいつらに会わなきゃいけないのに。









ここは……また知らない場所だ。

















フカフカのベッドの上で寝ていて、
窓からは温かな日差しが差し込んでいる。






先程いた場所とは全く違う場所だ。







ここはどうやら2階のようだ。





1階の方から声が聞こえる。
???
うん、ありがとう。
じゃあまた来るよ。
???
ありがとうございました。
お待ちしております。
???
この子も楽しみにしていますから。
レイ
……(誰だ?)






階段を下り、そっと扉に手をかける。





少し開くと"見覚えのあるような"髪色の人が立っていた。



















こちらを振り返る。






















ぷつり、とテレビの電源を消したみたいに映像はそこで途切れた。























__お前は一体何を守ると決めたんだ?













あいつの声が木霊する。
レイ
(俺は……)












俺は何を守ると決めたんだろうな。



















結局口ばかりで
あいつの手も握れやしない。













いつも苦しむのはあいつで
俺は楽な道ばかり選んでいる。














あいつの手を握って「大丈夫」だっていうのは
あいつの為でもあるが、違う。



















そうだ。





結局自分を慰めるためだけの言葉に過ぎなかったんだ。















言い聞かせるように。












信じられるように。














あいつがいつでもそばに居てくれるんだって
そう思い込めるように。



















あいつの笑顔を見る度思うんだ。






















俺は自分が嫌いだって。


プリ小説オーディオドラマ