またあの塔に連れ戻された時のことだった。
Jr.くんの絶叫に近い声が聞こえ、急いで駆け込む。
そこには、母を背に庇い、目に涙を大量に湛えて杖を向けるJr.くん。
襟元が乱れた夫人。
そして、今にもJr.くんを押し除けんとする下男。
食事を届けに来る男だ。
こちらに気づくと舌打ちをする。
激昂したヘラ様が男を突き飛ばして鉄扉に投げ飛ばす。
今にも泣き出しそうな少年を宥めている内に、バタバタと足音がする。
男はヘラっと笑って反省した様子もない。
カルドside
鏡越しに見たあなたちゃんはやつれていた。
必死で感情を堪えていて、痛ましい。
それに比べて僕はまだ。
フラフラと魔法局の廊下を歩いていた。
好物の蜂蜜を胃に流し込めば、まだ動けるさ。
大丈夫、必ず、、!
暗闇から浮き上がる意識。
最後、歪んだ景色と凄まじい脱力感だけは覚えている。
白檀の香りと白い部屋。
心配げに顔を覗き込むのは、同僚。
どうしてだろう、うまく笑えない。
ははっ、と乾いた貼り付けた笑いしか。
横の白い帷を引きベッドを見ると、寝台に横たわったオーター。
酷いクマの出来た顔が苦しそうに眠っている。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。