最初に、主人公のあなたのセリフに「」がある場合はゲームの中でのセリフを表しています。
分かりにくくてすみません。
誰と帰りたい?
►莉犬くん
►ころんくん
►るぅとくん
►さとみくん
ゲームの説明に書かれてあった。
選択肢によって誰と付き合うかが決まる、みたいな事を。
そういえば、誰のルートで進めるのかを決めていなかった。
正直、かなり迷っている。
明るくて可愛らしい。しかも幼馴染みポジションの莉犬くん
冷たそうだけど、意外と主人公を気にかけてくれているころんくん。
しっかりしてて、誰にでも優しいるぅとくん。
大人っぽくて、面倒見のいいさとみくん…。
さらに皆、顔があまりにも良すぎる。
全員と付き合ってみたいくらいだ。
10分くらい時間を使って、ようやく一人を決める事が出来た。
さとみくん。
顔も声も、正直タイプだし、優しくて頼りになるお兄さん的な人。
この人にしよう。
わたしは選択肢の「さとみくん」と書かれたボタンをタップした。
わたし達は一年生のクラスに、さとみくんは二年生のクラスに戻った。
そして放課後、帰りの準備を済ませて教室を出ると、すでにさとみくんが来ていた。
さとみくんと玄関まで向かうと、上履きからローファーに履き替え、
街中を二人で歩く。
沈黙が続く中、わたしは何か話す内容はないかと必死に頭を回転させていた。
すると、さとみくんが突然口を開いた。
再び沈黙が続く。
ふと、顔を挙げると、すぐ目の前にキッチンカーが見えた。
よく見てみると、それはSNSで話題になっていたクレープのキッチンカーだった。
美味しそうなクレープの写真を見て、食べてみたいと思っていたところである。
そんなに分かりやすい顔をしていたのだろうか。
なんだかそれを見られていたと考えると、ちょっとだけ恥ずかしい。
二人でクレープを買って、近くのベンチに座る。
わたしはチョコバナナクレープ。
さとみくんはいちごチョコクレープを頼んでいた。
トッピングもたっぷりで、生地はもちもちしている。
ほっぺたがとろけちゃいそうな味に、わたしは笑みが溢れる。
さとみくんはわたしに近付くと、唇に付いたクリームを手で取り、
それをペロッと舌で舐めた。
わたしは彼の言葉に顔が熱くなる。
さとみくんは悪戯っぽく笑うと、そのままわたしから離れた。
その後も一緒にクレープを食べながら帰り道を歩いたけれど、
ずっと、わたしの胸のドキドキは収まらないままだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。