第86話

嗜む程度ーHk
1,987
2021/03/22 05:45
you
かんぱーい
Hk
かんぱーい
ベッドの上でタブレットを挟んで座る。
一口飲んだら、グラスをサイドテーブルに置いた。
you
ホビ最近たまに飲むよね
Hk
なんか強くなってきたんじゃない?
なんて言ってたのに。
10分後にはもうテンションあがりきって、30分経てば真っ赤で眠たそうな顔してる。
you
寝ててもいいよ?笑
いくらファッション好きとは言え、女性誌を見るのはもう飽きてきただろうから。
Hk
あ"ぁ"…今日は大丈夫だと思ったのに。
まさかあなたに毒盛られた?
you
盛ってません!笑
自分のお酒の弱さを人のせいにするのは、ちょっと無理があるんじゃないかな!?  

腕まで真っ赤に染めたホビが、私の腰に手を回す。

"ちゅー"と言いながら唇を可愛く突き出した。

同じく唇を窄めて期待に応えてみる。

柔らかいホビの唇が私のに僅かに触れると、満足そうに笑った。
you
酔ってきましたね〜
Hk
ん〜大分酔ってきた
またタブレットに視線を落とすと、操作しようとする手を握って止められる。

付き合って既に一年経つけど、未だにドキドキする相手。

顔を上げてホビを見つめた。

熱っぽい視線が絡んでくるのはお酒のせい。


座った姿勢でもホビの方が高いから、見つめ合うと自然にホビが私を見下ろす。

長いまつ毛が目にかかってすごく色っぽい。

友達同士の延長みたいな私たちだけど、こういう時はいつも真面目な顔する人。

このギャップに心臓が持たない…

足にかけている毛布が暑く感じるくらい、何故か私もお酒が回ってきた。
you
私も酔ってきた…気がする。
私の手を握るのと反対の手が、私の頬にそっと触れた。

そのまま親指で撫でられると自然と私の目が閉じる。

次に来るのは勿論あたたかい口づけ。

さっきのとは違った深いキスが、私の脳にまでアルコールの香りを運んだ。

唇が離れると息が熱いのを感じる。

真っ赤な顔をした2人が目の中にお互い映っていた。

Hk
お酒はここまでにしない?
少しはにかんだ笑顔をして私からタブレットを取り上げる。
Hk
これ以上酔う前に、あなたに溺れたい。

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