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第1話

# 207
954
2024/06/17 21:00
< s h o s i d e >
夜に目がはっきりと覚め、

珍しく誰もいない病室をこっそりと抜け出した。
久々に飲んだ多量の薬。

腕に引いた赤い線は、

光に赤黒く照らされる。


……なんか、ダメな日やったんよね。

苦しくて仕方なくて。

逃げることしかできんかった。


ゆうくんに話して、

最低限の回数の許可を貰って、

少しは…、落ち着いたんやけど。


やっぱり寝れんくて、

心臓の鼓動は早くなり、

頭はふわふわと揺れる感覚に陥る。


腕は少し傷んで、

ただその痛みも忘れるほどに、

心はキリキリと傷を深める。
# s h o
っ、はぁっ、、
月に照らされる廊下の壁にそっと身を寄せ、

深く息を吐いた。


苦しい、

苦しい、

…苦しい、。


頭が何も考えられなくなって、

真っ白な浮遊感に襲われる。
# ?
!そこに誰かおる……、?
聞き覚えのある声が耳に馴染み、

それに返答する力もない僕は、

ただ息を荒くして、

この場所にいることを証明することしかできなくて。
# ?
!初兎っ、!!
僕の名前を力を込めながら呼ぶ声は、

僕の心の荷物を少し拾ってくれた。
# s h o
ゆ、くん、、ポロ
# y u s u k e
大丈夫、もう大丈夫やで、
# y u s u k e
俺がおるよ、
# y u s u k e
ごめんな、怖かったな、
僕のことを優しく抱きしめて、

背中を擦りながら持ち上げてくれるゆうくん。
# s h o
ごめ、、ポロ
# y u s u k e
謝んな、全然ええんよ、
# y u s u k e
怖かったやろ?お疲れ様、
# s h o
……ぁり、がと、、ポロ
ただ理由も問いたださずに、

ずっと優しく大きな手で僕を温めてくれる。
あっという間に部屋まで運ばれて、

静かにドアを開けると、

小さな足音が部屋の中から響いてきた。
# h o t o k e
初兎ちゃんっ!
# l i u r a
……きた、?
# s h o
……いむくん、りうちゃん、
# y u s u k e
……もう大丈夫か、?
またなんかあったら呼んでな、笑
# s h o
ぁりがと……、、
いむくんに勢いよく抱きつかれて、

少し体制を崩しかけながらも受け止める。
暖かくて僕を包み込んでくれる。

いむくんは、

表では太陽みたいに輝いとるけど、

…ほんまは、

月みたいに暖かくて優しい人やな、なんて思う。
# h o t o k e
こわ、かったぁ、、ポロ
# l i u r a
……いむがすぐ気づいて、
# l i u r a
りうらがナースコール押した……、
# l i u r a
……急にお部屋離れちゃったから、
いむも結構パニクってた……笑
# s h o
……ごめ、ん、
# l i u r a
んーん、全然……、
# l i u r a
ごめんね、、りうら、
ちょーっと、起き上がれない、けど、
# l i u r a
……帰ってきてくれて、よかったよ、
# l i u r a
ありがとね、
# h o t o k e
……ほんとに、よかったぁっ、、ポロ
# h o t o k e
ぃなくなっちゃった、、って、
おもって、、ポロ
# h o t o k e
こわかったぁっ、、ポロ
# s h o
……心配…、してくれて、ありがと、、
# l i u r a
…そりゃ心配するよ、
# h o t o k e
……初兎ちゃんだから、心配するの、
 
「 唯一無二の " 親友 " だから 」
 
……そうやよね、

もう、僕は、

こんなにも大切な人に恵まれとるんやった、。


……かけがえのない、大切な人に。


…もう離れたあかんよ。

絶対にそばにいる。


大好きやよ。

ほんまに、大好き、。


……こんなにも僕のことを好いてくれてありがとう。


僕を心配してくれてありがとう。

僕を探してくれてありがとう。

大切だって口にしてくれてありがとう。


……僕も、めっちゃ大切に思っとる。


……やから、、







































___これからもずっと、離れんといてほしい、な。


「 大好きやよ、大切な " 親友 " たち…… ! 」

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