第16話

第15話 謁見
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2025/08/25 04:46 更新
最終選別から帰って、早3週間・・・・・・。
私こと涼風楓音、全くと言うほど日輪刀も任務も来る気配がありません。
そうこうしている間に匡近兄さんと実弥兄さんが揃って風柱になることになりました。
・・・・・・とは言っても、実はこんなやり取りがあって。
胡蝶カナエ
粂野くん、不死川くん、柱就任のお話が来ているの。
粂野匡近
柱?実弥がなるんじゃないのか?
不死川実弥
頸斬ったのはテメェだろ、匡近。
端的に言えば、譲り合い(?)になった。
不死川実弥
いや、何でおれがお前差し置いて柱?
粂野匡近
だって、実弥の方が昇進速いし・・・。
胡蝶しのぶ
何言い合ってるんですかね、あの人たち。
樋口颯希
・・・絶対これ決着つかないよ。
小松曽和
水掛け論だしな。・・・どうしたものか。
涼風楓音
じゃあ、いっそのこと2人で柱になればいいんじゃない?
胡蝶カナエ
あら、いい考えね。
不死川実弥
・・・は?
粂野匡近
え?それありなの?
胡蝶カナエ
御館様に聞いてみましょう?心陽、少しお願いがあるのだけど~?
鎹鴉
任セテ、カナエチャン!
結局、それを見越していたらしく帰ってきたカナエさんの鎹鴉である心陽ちゃんは匡近兄さんと実弥兄さんの柱就任の手紙を持って帰ってきた。
ついでに、何故か私も御館様に御呼ばれする羽目に。
涼風楓音
・・・なんで?
粂野匡近
最終選別で異形の鬼がいたって言ってたでしょ?それについての聞き取りだってさ。
涼風楓音
じゃあ、真菰たちと会えるかな?
粂野匡近
きっとね。
更に1週間後。いよいよ御館様に呼ばれた日になった。
モブ隠
では、涼風さんは我々が背負って運ばさせていただきます。
その前に、こちらを付けていただくことになっています。
涼風楓音
目隠しと、耳栓・・・?
モブ隠
御館様のお屋敷は内密にする必要があるのです。
その為、柱の方以外は全員このように目隠しと耳栓をして頂く決まりとなっているのです。
涼風楓音
へぇ~、そうなんですか。
目隠しと耳栓をした後、隠の人に背負われて御館様のお屋敷に向かった。
鱗滝真菰
久しぶり~!楓音ちゃん、杏寿郎くん!
涼風楓音
久しぶり、真菰!
煉獄杏寿郎
久しぶりだな!
同期3人でお屋敷の中の一部屋で待つように言われたので、ここ3週間の話をしていた。
鱗滝真菰
兄弟子が水柱になったんだけどさ、全然言わなくて。私の最終選別が終わった時に初めて知ったんだ~!
涼風楓音
私も、兄さんたちが風柱に就任することになったんだ。
煉獄杏寿郎
全員、近親者に柱がいるとは珍しい事もあるんだな!
涼風楓音
だね。
煉獄槇寿郎
3人とも、御館様がお呼びだ。こちらに来なさい。
煉獄杏寿郎
はい、父上!・・・2人とも、行こうか!
鱗滝真菰
うん!
涼風楓音
分かった。
煉獄槇寿郎
御館様、3人を連れてまいりました。
産屋敷輝哉
ありがとう、槇寿郎。・・・3人とも、入っていいよ。
煉獄杏寿郎
失礼します!
鱗滝真菰
失礼します。
涼風楓音
失礼します。
産屋敷輝哉
まずは、最終選別合格おめでとう。
煉獄杏寿郎
ありがとうございます。御館様がご息災のようで何よりです。
産屋敷輝哉
今日3人に集まってもらったのは、最終選別で戦った異形の鬼について聞きたいからなんだ。
鱗滝真菰
分かりました。
涼風楓音
その鬼は・・・慶応だったから、えっと今から何年前・・・?
煉獄杏寿郎
ざっと50年近く前じゃないか?
涼風楓音
そうなの?
・・・えっと、50年近く前に真菰のお師匠様だった当時の水柱様が生け捕りにして藤襲山に送った鬼です。
煉獄杏寿郎
鱗滝殿の門下生を集中的に狙う鬼でしたが、・・・ざっと50人は食べていたかと。
最後は真菰が頸を斬って討伐に至りました。
産屋敷輝哉
なるほど、・・・教えてくれてありがとう。
最終選別にいるには強すぎる鬼の件はしっかり対処することにするよ。
鱗滝真菰
はい。私からも、切にお願い申し上げます。
御館様の前から下がると、部屋の外には匡近兄さんと実弥兄さんが待っていた。
不死川実弥
お疲れ、3人ともォ。
涼風楓音
実弥兄さん、やっぱり金釦があってるね。
不死川実弥
可愛いこと言ってくれんなァ、楓音。
わしゃわしゃと頭を乱暴に撫でられた後、こう告げられた。
不死川実弥
お前らの刀、できたってよォ。刀鍛冶の方が待ってるから、今から受け取りに行くぞ。
粂野匡近
大丈夫だと思うけど、無礼の無いようにね?
涼風楓音
は~い!
お屋敷の別のお部屋に入ると、ひょっとこのお面を付けた人が3人。
・・・なんでひょっとこのお面付けてるんだろう?
鉄穴森
匡近くん、実弥くん、柱就任おめでとうございます。こちらが新しく打ち直した刀です。
粂野匡近
ありがとうございます、鉄穴森さん。
不死川実弥
鉄穴森さん、いつもありがとうございます。
鉄穴森
涼風楓音さんの刀を打たせて頂きました、鉄穴森と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
涼風楓音
はい、よろしくお願いします。
鉄穴森
では、こちらが楓音さんの日輪刀となります。
そう言って、鉄穴森さんは白桐の箱から1本の日輪刀を取り出した。
白色の地色に金色の線が入っている鞘で、実弥兄さんと同じ風車の鍔だった。
鱗滝真菰
うわぁ、綺麗!
チラリと横を見ると、匡近兄さんと実弥兄さんが無言で拳をぶつけあっていたので絶対何か知ってる。
後で聞いてみよう。
鉄穴森
では、抜いてみてください。
涼風楓音
はい。
風の呼吸で一度深呼吸をして、柄に手を掛けてゆっくりと抜き放った。
ごくごく普通の日本刀だったその刀は、根元から鮮やかな青緑色に変化した。
粂野匡近
水と風の適性だから、順当ではあるけれど・・・それにしても珍しい色に染まったね。
不死川実弥
蒼緑・・・っつーには、ちょっと緑よりか?
水の呼吸に切り替えて一旦やってみろよ。
涼風楓音
うん。
水の呼吸に切り替えてみると、今度は少し青みが増したように思う。
不死川実弥
やっぱり色が変わってるなァ。・・・使ってる呼吸次第でここまで色変わる事あんのかァ?普通。
鉄穴森
いいえ、私も初めてみました。
鉄谷
じゃあ、次は杏寿郎くんだな。・・・槇寿郎さんから話は聞いているが、どんな色に染まるかねぇ。
槇寿郎さんと同じ見た目の刀を受け取り、すっと抜刀する。
その刀は緋色に根元から染まっていった。
鉄谷
実に見事な色だな、杏寿郎くん。
煉獄杏寿郎
ありがとうございます、鉄谷さん。
涼風楓音
・・・ちょっとだけ、槇寿郎さんと色が違う?
煉獄杏寿郎
確かに、言われてみれば父上の刀は深紅に近い色身だからな!
鉄谷
人によって刀の色は適性が同じでも大きく違うからな。
不死川くんと粂野くん、君たちの刀を見せてやってくれ。
粂野匡近
確かに、俺も実弥も適性は同じ風だけど色は違いますしね。・・・んで、この色が俺の。
不死川実弥
こっちが俺のだ。・・・匡近の方が若干明るい翡翠色って感じだなァ。
鱗滝真菰
言われてみれば、確かにそうかも。
粂野匡近
楓音の場合はそもそも適性2つ持ちだから比べられないからなぁ。
鉄本中
じゃあ、最後は真菰さんですね。
鱗滝真菰
・・・はい、よろしくお願いします。
真菰の日輪刀は、黒い鞘にところどころ花の小さな飾りがついていて、円形の鍔が付いていた。
真菰が一つ息を吸ってから鞘から刀を抜き放つと、その刀身は美しい瑠璃色に変化した。
煉獄杏寿郎
見事な色だな!
粂野匡近
水の呼吸の適性持ちを示すような綺麗な色だね。
鱗滝真菰
ありがとうございます、風柱様、杏寿郎くん。
鎹鴉
カァァ!カァァ!煉獄杏寿郎!涼風楓音!鱗滝真菰!初任務!初任務ゥ!
涼風楓音
えっと、それって3人でってこと?
鎹鴉
ソウダヨ!
煉獄杏寿郎
行って参ります、父上。
涼風楓音
兄さん、槇寿郎さん、行ってきます!
鱗滝真菰
皆さん、行ってきます!
煉獄槇寿郎
ああ。気を付けて行けよ。
粂野匡近
行ってらっしゃい、気を付けて。
杏寿郎、楓音、真菰の3人が初任務に向かって屋敷を発った後。
冨岡義勇
・・・失礼する。
煉獄槇寿郎
冨岡、遠路はるばる悪かったな。
冨岡義勇
(俺はそもそも鬼殺隊にいる資格もないのに柱になってしまっただけの未熟者なので)お気になさらず。
煉獄槇寿郎
まずは、妹弟子の入隊おめでとう。・・・面倒はちゃんと見るんだろうな?
す、とさも自然かのように目を逸らす水柱・冨岡義勇。
それにため息を漏らす炎柱・煉獄槇寿郎。
煉獄槇寿郎
はぁ~~。お屋敷は賜っているだろう?
冨岡義勇
・・・はい。
煉獄槇寿郎
そこを拠点にするように言っておきなさい。
冨岡義勇
・・・・・・・・・分かりました。
煉獄槇寿郎
それと、稽古も見てやるんだぞ。血迷っても柱の地位を押し付けようとするんじゃない。分かったか?
冨岡義勇
でも、俺は
煉獄槇寿郎
返事は?
冨岡義勇
・・・・・・はい。
大正世代最大の問題児、水柱・冨岡義勇がようやく初登場。
登場した瞬間から叱られてるじゃないかという意見は胸の奥にしまっておいてください。
次回、3人の初任務!

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