ポアロにつくと安室は鍵を開けて
扉を開けた
あなたの下の名前はそのことに疑問を覚え
首をかしげる
『なんで鍵...?』
安室は、ああ、と笑って鍵に目を落とす
安室「実は梓さんが今日用事でいなくて、お店もお休みなんです」」
安室「ただ僕は、買い出しを頼まれていて、鍵を預かってたんです」
安室はそう説明をして
あなたの下の名前を見てにこりと笑う
前言撤回
とても帰りたい
あなたの下の名前はそう思いつつも
ここまで来たらもう入るしかない
と覚悟を決めて
店の中に入った
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コナン「あ!安室さんおかえりーって...!?」
絶対に聞きたくない声がして
あなたの下の名前は目を伏せた
『終わった...』
思わずそんな呟きを吐き出してしまえば
安室は首をかしげる
安室「何が終わったんですか?」
『すみませんなんでもないです』
コナンは目を細めてにこりと笑う
コナン「僕、ずっとあなたの下の名前さんに会いたかったんだ!」
コナン「隣に座ってくれない?」
コナンにそう促されて
あなたの下の名前は仕方なく
コナンの隣のカウンター席に腰かけた
安室はエプロンをつけながら
あなたの下の名前に問う
安室「アイスコーヒーとハムサンドでいいですか?」
あなたの下の名前はその言葉に
頬杖を付きながらため息を吐く
『やっぱりいらないです』
『この状況だったら何が入っているかわかんないし』
安室はあなたの下の名前を見てくすりと笑う
安室「やっぱり警戒心が強いですね笑」
安室「大丈夫ですよ、何も入れませんし」
安室はそういって支度を始める
どうやら拒否権はないらしい
あなたの下の名前はさらにため息を吐くが
コナンの言葉にさえぎられる
コナン「お姉さん、あの後大丈夫だった?」
コナン「自殺なんかもうしようとしないでね」
ああでも、とコナンは聡明な瞳を鋭く光らせ
重く響く低音で言葉を発する
コナン「キッドが助けるから大丈夫か」
そんな探偵の言葉に
あなたの下の名前は暗い深淵の瞳を
ゆっくりと細める
『あぁ..そういうことね』
『探偵さんは私のことを怪盗キッドの仲間だと思ってるのか』
あなたの下の名前は的外れな推理に笑みを隠せない
『残念だけど私は彼の協力者でも何でもない』
『ただの中学生』
その言葉にコナンは眉を顰める
コナン「そんなわk....」
コナンの否定の言葉はあなたの下の名前によって
遮られる
『動揺、疑い、焦燥。』
『自分の推理を信じて疑わない探偵ってホント自己肯定感高いよね』
あなたの下の名前の瞳は藍の色を濃くしていて
どうしようも無い怒りや切なさが滲んでいた
『自分が間違っているなんて到底考えない』
『ほんとめんどくさい』
暗い藍の瞳は
冷たくコナンを見据える
瞳に映る感情には
自分を疑っているような仕草は映らず
私のことだけを疑っている
自分を信じて疑わない
どれだけ自分の頭脳を信頼しているんだろうか
だから探偵なんか
嫌いだ
安室「僕も話に混ぜてくれませんか?」
安室「聞きたいこともあるので」
二人がにらみ合っていると
食事を持ってきた安室があなたの下の名前の隣に座る
あなたの下の名前の退路を塞ぐように
左隣に座る彼に
あなたの下の名前は苛立って
眉を寄せながら
深く考えず言葉を放つ
『公安に問いただされるってどんな拷問ですかっ、』
『って、あ....』
その言葉にみるみるうちに
安室が眉を顰め
鋭くあなたの下の名前を睨みつける
安室はあなたの下の名前の手を掴んだ
安室「...今なんと?」
やらかした
あなたの下の名前は今世紀最大のやらかしだ
とまたもやため息をついた
安室は手を掴む力を強くした
安室「キッドの仲間でもないなら、なぜ、」
安室「一般人の貴方が知っているんですか?」
安室「僕が公安だと」
口調は丁寧なものだが
苛立ちが滲んでいる
あなたの下の名前は目を合わせず
金髪の輝きに目を細める
『私、絶対やらかすと思ったんだよねぇ...』
『まぁ、そんなに公安警察が焦ってるのを見れるのも楽しいけど笑』
そうやって血走った目をする安室を見て
あなたの下の名前はくすりと笑う
安室は更に苛立ち
手の力を強くする
安室「質問に答えてください」
『えぇ〜.....』
あなたの下の名前は安室の態度に首を竦める
『ていうか、手、離してくれない?』
安室「貴方がお話して下さるまで離せません」
『あのナンパ野郎と一緒じゃん』
安室はあなたの下の名前の深く深淵のような
瞳を覗き込む
そこに映るのは自分の姿だけで
それ以外にはなんの色も見えない
彼女は、何者だ
キッドの仲間ではないなら
まさか、組織の人間だろうか
見たことは無いが可能性はある
何とか問いただしたいが
睡眠薬を入れた
ハムサンドにもアイスコーヒーにも
あなたの下の名前が口を付ける気配は無い
それは当たり前だろう
さてここからどうするべきか
安室が思案していると
不意にコナンの姿が瞳に映る
彼も同じことを考えていたようで
腕時計を取り出した
あなたの下の名前は面倒そうに
頬杖をついて窓の外を眺めている
今だ
その瞬間
コナンの打った麻酔銃が
あなたの下の名前の首に当たる
あなたの下の名前はその感覚に目を見開く
そして何が打たれたのかを察した
『あぁ、そっか....』
『麻酔銃持ってるの、わす...れ...て.....』
藍の瞳は眉を顰めて苦しそうにした後
そっと目を伏せた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。