他愛もない話をすること30分。
あぁ、楽しい。
こんなに喋ったのは久しぶりだ。
なんか普通の女の子って感じだな…嬉しい。
進藤くんは私が優大と幼馴染っていうのを何も言ってこない。
それがいいのかも。
最近いろんな人…特に女子からよく言われるようになった。
あなた、優大くんと幼馴染なんでしょう?付き合ってないわよね?
こんなことを毎日のように聞かれる。
それでなるべく人を避けてたから人肌恋しかったのかも。
結局この日は相談といった相談はできなかったけど
とても楽しかった。
家に帰る途中で、ケーキ屋さんをみつけた。
美味しそう、買って帰ろうかな。
いっぱい買っちゃったなー
ふふ、密かな楽しみが出来たなぁ。
ん?家の前に誰かいる…?
こんなとこ見られたら何をされるかわからない。
この時の私はまだ知らない。
この話の問題は、あかり達だけではないことを。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!