松村
沈黙が流れる。
やけに長く感じたその沈黙は
樹の声によって破られた。
田中「俺、行ってくる」
「どこにだよ、」
田中「あなたのとこに決まってんじゃねえかよっ」
髙地「お前あなたどこにいんのか知ってんの?」
田中「探す」
「無理があるって、」
京本「、俺も行く」
「おい、京本、」
田中「お前はっ!あなたのこと大切に思ってねえのかよ!!!」
「大切に決まってんだろ!!でも、!!!」
みんな頭の中はここにいないあなたのことでいっぱいで、
理性もなんも、全部吹っ飛んだかのようで。
「、、俺も行くから。みんなで手分けして探したほうが良いだろ」
でも、こうやってでもしないと
本当に俺らは壊れてしまう気がするんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。