第5話

休日の体育館
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2026/01/12 10:26 更新
休日の朝は、少し静かだ。
平日よりも人の少ない通学路を歩きながら、体育館の鍵を確認する。



あなた
おはようございます



一番乗りは、だいたい決まっている。



黄金川貫至
おはよーっす!!



黄金川くんが、大きなバッグを肩にかけて立っていた。



あなた
早いね
黄金川貫至
迎えに来てもらってるから!
あなた
それ関係ある?
黄金川貫至
ある!



よく分からない理屈だけど、否定はしなかった。

体育館を開けると、ひんやりしたら空気が流れ込む。
ネットを張って、ボールを出して、準備を整える。



二口堅治
休日なのに、ちゃんとしてんな



二口先輩が欠伸あくび混じりに言う。



あなた
当たり前です
二口堅治
冷た
あなた
通常運転です
二口堅治
はいはい



青根先輩は黙々とストレッチをしている。
近くに行くと、自然と背筋が伸びる。



あなた
青根先輩、テーピングあります
青根高伸
……ありがとう



短いやり取り。
でもそれだけで伝わる。
練習が始まると、体育館は一気に音で満たされる。

『ブロック揃えろ!!』
『ワンタッチ狙え!!』

休日だからといって、手は抜かない。
むしろ、平日よりも集中している気がする。

水を配りながら、コートを見る。

黄金川くんが跳ぶ。相変わらず、高い。



あなた
ナイス!



声をかけると、少しだけ嬉しそうな顔をする。



黄金川貫至
次も行く!



単純だけど、それが強みだ。

練習の合間、ベンチでメモを取っていると、二口先輩が覗き込んできた。



二口堅治
真面目だな
あなた
仕事なので
二口堅治
休日だぞ
あなた
部活なので
二口堅治
……強いな



それは褒め言葉だと受け取っておく。
昼前になると、少し疲れが出始める。



追分拓郎
休憩!



コーチの声で、全員が床に座り込む。



二口堅治
マネージャーも座れ



二口先輩が言う。



あなた
まだ仕事残ってます。
二口堅治
後でいい



青根先輩が、無言でスペースを空けてくれた。



あなた
……失礼します、



座ると、床の冷たさが気持ちいい。



黄金川貫至
休日なのに来てくれるの、ありがたいな



黄金川くんが小さく言う。



あなた
仕事だから
黄金川貫至
それ、ずっと言うね
あなた
言う



でも、嫌じゃない。
休日の部活は、派手なことは起きない。
ただ、同じ時間を積み重ねるだけだ。
それでも、確実にチームになっていく。
練習が終わる頃、外はもう明るくなっていた。



あなた
お疲れ様でした。
茂庭要
おう、おつかれ!



いつもより、少し軽い声。
鍵を閉めながら思う。
休日でも、ここに来たいと思える場所がある。
それは、悪くない。
むしろ、結構好きだ。

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